【読売新聞】 【テヘラン=吉形祐司】サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相は17日、国交正常化に合意したイランの首都テヘランを訪れ、同国のホセイン・アブドラヒアン外相やエブラヒム・ライシ大統領と会談した。両外相は共同記者会
財政制度等審議会(財政審)は、少子化対策の財源について、赤字国債で賄うことは認められないという姿勢を明確にしたという。ほとんどの報道において、「赤字国債」という言葉が使われている。 5月29日に公表された財政審の報告書をみると、基本認識のところで«「新しい資本主義」では、人への投資、GX·DX、科学技術・イノベーション、スタートアップ等が重点投資分野とされている»の後に、少子化対策について、«恒久的な施策には恒久的・安定的な財源の確保が必要である。少子化対策の財源負担を、これから生まれるこどもたちの世代に先送りすることは本末転倒であり、そのような対応はあってはならない。全世代型社会保障の考え方に立って、医療・介護など社会保障分野の歳出改革を断行するとともに、企業を含め社会・経済の参加者全員が公平な立場で広く負担する新たな枠組みを検討していかねばならない»とされている。
このところ円安局面にもかかわらず、一時取り沙汰された「悪い円安論」が影を潜めている。いろいろな解釈があるが、そもそも悪い円安論が間違いだっただけではなかったのか。 本コラムでは、為替のマクロ経済への影響を繰り返して説明してきたが、円安(自国通貨安)を大ざっぱにいえば輸出関連・対外投資関連企業にはプラス、輸入関連・対内投資関連企業にはマイナスだ。 企業の生産性などの地力をみると、一般的に国際市場で競争する前者の方が後者より高いので、前者にメリットを与えて後者にはデメリットを与えた場合全体としてはメリットが大きくなる。自国通貨安による経済成長はほぼどこの国でも成り立つので、「近隣窮乏化」として知られている。 ところが、日経新聞など国内メディアの多くは、円安による輸出増が見られないことから、円安による輸入価格アップによるデメリットのほうが大きいと考え、悪い円安論を展開したようだ。古今東西ある近隣
平成21年に38歳で亡くなった歌人、中澤系さんの絶版となっていた歌集がこのほど復刊され、話題となっている。日常への違和感を痛烈に放つ中澤さんの歌集と、最近印象に残った詩集を紹介する。 ◇ 中澤系さんの『中澤系歌集 uta0001.txt』(皓星社・2200円)に圧倒された。口語による現代短歌の極北に位置する歌集だろう。 この世界を「平常運行」させていると思われるシステムに対する違和感、もっと強い言葉を使うなら、憎悪を起点に、夜の道路に落ちている針のように、中澤さんは細く鋭い光を放つ。歌集の冒頭に置かれた歌がすべてを語っている。 《3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって》 人工知能(AI)に席巻されるこの世界で右往左往している私自身に投げつけられた歌のように感じられた。「快速電車」とは「タイムパフォーマンス」の暗喩だ。賢い人々はこれに乗って、目的地により早く到達する。それを利用で
医療の進歩によって、小児期に慢性疾患を発症しても成人となる患者が増えている。例えば、生まれつき心臓に構造上の異常がある先天性心疾患の患者は約90%以上が成人まで生存できるという。そこで課題となるのが、患者が子供から大人になった時に適切な医療を受けられるかどうかだ。医療の進歩が生み出した新たな課題を考える。 社会で活躍中の30、40代が危ない「今までなかった病気が増えている。修繕した心臓が徐々に悪くなり、しかも本人が気が付きにくい」
科学と一緒に進化してきた恐竜アート図鑑やSF映画に登場する恐竜たちは、色鮮やかで生き生きとした姿で描かれている。骨や歯などの化石というわずかな手がかりから、誰も見たことがない恐竜が復元できるのはなぜだろうか。そして描かれたものは実物に近いのだろうか。科学技術、研究の進展とともに、姿を変えてきた恐竜の復元について考える。 骨から探る「過去100年のスパンでみると、(復元図は)大きく変化している」 国立科学博物館の真鍋真副館長(恐竜学)はそう指摘する。 恐竜の存在が知られるようになったのは1820年代。英国の博物学者、チャールズ・ダーウィンが「種の起源」で進化論を説いたのは1859年で、1820年代には進化という考え方はほぼなかった。化石が出土するたびに、人々は、いるはずのない大きな爬虫(はちゅう)類がいたということに衝撃を受けた。 では、復元図はどうやって作成されたのか。 例えば、約1億20
それにしても、『週刊文春』の取材力恐るべし、だ。今週(6月22日号)もスクープが2本。 「岸田最側近木原副長官 シンママ愛人に与えた特権生活」 「広末涼子W不倫〝交換日記〟」 広末の方は先週号に続く第2弾だが、2人がやり取りした手紙まで入手。 〈会ってくれて、合ってくれて、くっついてくれて、入ってくれて、泣かせてくれて(中略)ありがとう〉 ここまでバクロされると、なんか広末がかわいそうになってくる。 一方の木原誠二官房副長官。 懲りないお人だ。 かつて『週刊新潮』(令和3年12月23日号)で3人の七五三詣でを報じられた〝愛人女性〟A子さんと〝隠し子〟とおぼしきB子ちゃん。 今回は3人で東京ディズニーランドへ。3人の会話のやり取りまで逐一公開。 それどころか推定家賃30万円、ベンツに乗り、娘の学費310万円を払っている元銀座ホステスのA子さんが、ひとり親家庭のための助成制度を利用、医療費を払
「日本は遅れている」との上から目線の非難がある。日本は海外と比較して遅れているから変わらなければならないと続くのが通例だ。海外の僅かな事例を引きながら日本を貶(おとし)める。こうした論法は卑劣と言わざるを得ない。なぜなら、自身に都合の良い事例だけを取り上げるからだ。 朝日新聞は「同性婚判決『違憲』の是正を急げ」(9日付)と題した社説で日本においても同性婚を認めよと主張した。私は同性婚を認める立場を取らない。だが、同性婚の是非を問う以前に朝日新聞の論理の運び方が粗雑であることを指摘しておきたい。 G7(先進7カ国)と比較し、「日本以外の6カ国は同性カップルを認める法整備を既にしており、先進国の中で日本の対応の遅れは明白だ」「性的少数者への理解を広げ、差別をなくすためのロードマップをつくり、その中に同性婚の法制化を明確に位置づけるべきだ」と主張する。 日本は遅れている。だから、欧米各国に見習え
コンブ漁解禁初日の操業を終え、貝殻島周辺から白波をたてて港に戻る漁船団。後方には朽ちたロシア船が放置されたままの萌茂尻島が確認できた =1日、北海道根室市(鈴木健児撮影) 午前7時。出漁を告げる花火とサイレンで、北海道の根室・納沙布(のさっぷ)岬沖に集結したコンブ漁船204隻が一斉に3・7キロ先の貝殻島周辺へと向かった。 漁師らは、海上保安庁、ロシア国境警備局の警備艇が監視するなか「かぎざお」と呼ばれる長い漁具を海中に突き刺すようにして次々にサオマエコンブを絡め採っていった。 ロシアによる不法占拠が続く北方四島の歯舞群島は志発(しぼつ)島、多楽(たらく)島、水晶(すいしょう)島、勇留(ゆり)島、秋勇留(あきゆり)島と貝殻島、萌茂尻(もえもしり)島などの小さな島々から成る。現在、歯舞群島にはロシアの国境警備隊が駐留し、住民はいないという。周辺海域では、先の大戦前からコンブ漁が盛んだった。終戦
国際経済フォーラムで演説するロシアのプーチン大統領=16日、サンクトペテルブルク(Ramil Sitdikov/RIA Novosti提供、ロイター) いま、ヨーロッパで大変なことが起(おこ)っている。ロシアによるウクライナ侵攻である。 昨年2月の侵攻からすでに1年あまり。残念ながら、遠いヨーロッパの出来事なんて日本に関係ないわ、という人もいるかもしれない。ただ、日本が将来において、こうした事態に巻き込まれないとは決して言えない。それは一体、どんな場合であろうか。 ウクライナの戦争に話を戻すと、現在、ウクライナの抵抗によって、侵略者ロシアは苦戦をしている。しかし、いずれかの時期に、何らかの休戦協議が行われることであろう。その内容は予測困難ではあるが、ロシア側にしてみれば、少しでも多くの侵略地域を得てから休戦に応じたいのは言うまでもない。 現実問題として、ウクライナが短い時間でロシア軍全部を
「女王陛下万歳!」。バイデン米大統領(80)が16日、銃規制に関する集会で演説した際、唐突にこう叫んで波紋が広がっている。英国でエリザベス女王(昨年9月に死去)をたたえる際に使われた言葉だが、王室のない米国ではなじみがない。バイデン氏は言い間違いが多く、高齢による衰えへの懸念に拍車がかかりそうだ。 バイデン氏は東部コネティカット州で開かれた集会で、銃規制強化に取り組むと訴えた。聴衆に記念撮影しようと呼びかけた後「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」と叫んで締めくくった。 ホワイトハウスのダルトン副報道官は「聴衆の誰かに叫んだものだ」と釈明した。ツイッターでは「彼がいるのはコネティカット州で、女王も亡くなっている」などと困惑の投稿が相次いだ。(共同)
【読売新聞】 【ロンドン=池田慶太】英国のチャールズ国王(74)の誕生日を祝う軍のパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」が17日、ロンドン中心部で行われた。1400人以上の兵士や400人の音楽隊らが参加した。国王自身も馬に乗り、バッ
【読売新聞】 日本は長年、政府開発援助(ODA)で途上国を支援し、国際社会での地位を高めてきた。その手法や内容を、国際情勢の変化に応じて絶えず見直していくことが大切だ。 政府が、対外支援の指針となる開発協力大綱を8年ぶりに改定した。
G7広島サミットでの会談を前に韓国の尹錫悦大統領(左)と握手する岸田首相=広島市韓国には、日本にはない竹島(島根県隠岐の島町)の研究を専門にする機関「東北アジア歴史財団」がある。その財団の規定ではトップの理事長を任命するのは大統領だとされ、歴代歴史学者が就いている。これは必然的に、時の権力者の意向に沿って研究がなされるということだ。 時の権力者の意向事実、財団には、文在寅(ムンジェイン)大統領時代の2019年9月から刊行が始まった「日帝侵奪史研究叢書(そうしょ)」がある。1冊目が『日本の偽りの主張 独島の真実』、次が『日帝侵奪30の場面』で、1905年の竹島の島根県編入などに始まり、日韓の国交正常化交渉前後までの30のテーマが論じられている。 財団理事長は『日本の偽りの主張 独島の真実』の発刊の辞で、「韓日間の紛争は、歴史問題から始まっている。1965年の韓日国交正常化の時も、過去史を明白
衆院本会議に臨む(左から)林芳正外相、岸田文雄首相=16日午後、衆院本会議場(萩原悠久人撮影)岸田文雄首相が今国会での衆院解散を見送ったことで、改めて首相がいつ「伝家の宝刀」を抜くのかが焦点となる。今秋の臨時国会での解散が有力とみられるが、来年の通常国会なども選択肢として残る。首相が次期衆院選で与党を勝利に導けるかどうかは、来年秋に予定される自民党総裁選での再選の可否に直結するだけに、首相は解散に打って出る最も有利なタイミングを見極める考えだ。 首相周辺には、できるだけ解散時期を党総裁選のある来年9月に近づけ、勝利した上でその後の総裁選を無投票で乗り切りたいとの声が少なくない。衆院選で勝利すれば「民意」を得た形となり、総裁選で対抗馬が出にくいと考えているためだ。側近は「総裁選に近いほど良い」と話す。 だが、首相自身はこうした考えに懐疑的だ。
2014年6月、ソウルの韓国国会で、質問に答える金寛鎮氏(聯合=共同)韓国政府は6月7日に発表した「国家安保戦略」で北朝鮮を「最大、最優先の安保脅威」とし、戦略の土台に米韓、日米韓の協力強化を改めて位置付けた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこれに先立ち、自らが委員長を務める国防革新委員会の副委員長に「北朝鮮を震え上がらせた軍人」として知られる筋金入りの強硬派、金寛鎮(キム・グァンジン)元国防相(73)を抜擢(ばってき)し、韓国軍を「圧倒的な戦闘軍」に立て直す「第2の創軍」を行う指針を示した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権で緩んだ韓国の国防は、一気に引き締めと革新の時代を迎えた。 韓国の国家安保戦略は政権の最上位の政策指針で、国際社会に現政権の方向性を示すとともに、北朝鮮に対する戦略が明示されることで注目度が高い。 この中で、尹政権は自由民主主義などの価値観を重視する「グローバル中枢国家
岸田文雄首相=16日午後、衆院本会議場(萩原悠久人撮影)参院本会議で16日に成立したLGBTなど性的少数者への理解増進法は、岸田文雄首相の元秘書官による差別的な発言に端を発し、首相が成立を急がせたものだ。「拙速」と批判された自民党内の議論は分断を招き、自民、公明両党の連立政権の構造的な問題も浮き彫りにした形だ。 法案を巡る自民内の議論は、熟議とはほど遠かった。法案を検討した内閣第1部会などの合同会議は4月下旬に議論を開始し、4回で法案の条文審査を打ち切った。最終回の5月12日の会議では発言した28人の議員のうち18人が「LGBT当事者や女性の不安が払拭されていない」などと反対や慎重論を訴えた。しかし、幹部側は部会長らへの「一任」を決定。自民閣僚経験者は「党内の分断を招く議論の在り方だった」と苦言を呈す。 自民案は、党内保守派を中心とした反対・慎重論者の修正要求を残したまま、公明との与党案と
政府は女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)で、東京証券取引所の最上位市場であるプライム市場に上場する企業に対し、2年後をめどに最低1人は女性を役員に選任するように求める方針を打ち出した。 そのうえで令和12(2030)年までに女性役員比率を30%以上に高める数値目標も盛り込んだ。政府の方針を受け、東証も年内に上場規則にこうした目標を盛り込む予定だ。 女性の活躍を後押しするだけでなく、取締役会に多様な人材登用を促すことで上場企業の経営改革につなげるのが狙いだ。着実な達成が欠かせない。 昨年時点でプライム上場企業の女性役員比率は11%にとどまり、女性が取締役会に一人もいない企業も2割近い。これに対し欧米の大手企業では女性の役員比率は3割以上を確保している。岸田文雄政権が数値目標まで掲げて選任を促すのは、このままでは大きな進展が期待できないためだろう。 国内外の機関投資家も上場企
政府が今年の経済財政運営指針「骨太の方針」を閣議決定した。 賃上げを持続的なものとするための労働市場改革や、官民連携による投資拡大などを進め、「成長と分配の好循環」を目指す。それが骨太で描かれた「新しい資本主義」の基本路線である。 総じて従来政策の踏襲が多い点は物足りない。ただ、大事なことは少子高齢化や潜在成長力の低さといった構造問題を解消できるかだ。個々の施策がそれに資するかどうかを見極めて、効果的に具体化を図る必要がある。 問題は財政運営を巡る岸田文雄政権の腰が引けた姿勢だ。少子化対策や防衛力強化など抜本的に対処すべき課題は多い。本来は骨太で財源を明確化すべきなのに、結論の先送りが目立つのはどうしたことか。負担増にも向き合う責任ある財政運営を求めたい。 新型コロナウイルス対策で膨張した歳出構造を「平時に戻していく」と明記したのは妥当だ。既に経済社会活動はコロナ禍の前に戻りつつある。物価
岸田文雄首相が、今国会中の衆院解散の見送りを表明した。立憲民主党が提出した内閣不信任決議案は否決された。 首相は表明に当たり、「先送りできない課題に答えを出していくのが、岸田政権の使命だ」と語った。 首相が会期末解散を見送ったのは、上昇基調にあった内閣支持率が下落に転じ、衆院選での勝利がおぼつかないと及び腰になったからだろう。 岸田政権への支持は固いものではないということだ。これはひとえに首相の政権運営に理由がある。山積する課題に対し、正面から取り組む必要がある。 5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は成功裏に終わった。支持率が上がったのもつかの間、政務秘書官を辞職した長男による公邸内での不適切行為の発覚や、相次ぐマイナンバーカードのトラブルなどで、政権は痛手を負った。 少子化対策を実現するための「こども未来戦略方針」を巡っても、今後3年間で予算規模を年3・5兆円にすることを想定し
認知症基本法が成立した。認知症の人や家族らの意見を踏まえて政策を立案することを明確化したものだ。首相を本部長とする「認知症施策推進本部」を設置し、政策の基本計画を作る。 これまでの認知症対策は十分だったとはいえない。これを機に、本腰を入れてもらいたい。 認知症は誰にとっても人ごとではない。令和7年には約700万人が認知症になると見込まれている。65歳以上の5人に1人に上る数だ。 認知症と診断されてもできるだけ悩みを減らし暮らしていける環境を作ることが急務である。 新法は、全ての認知症の人が自らの意思により、日常生活や社会生活を営めるようにすることを掲げた。本人に関わる選択で意見を表明する機会を確保し、あらゆる分野の活動に参加できる機会を設けることも盛り込んだ。 国の計画に基づき、都道府県や市町村は、認知症の人たちの意見を聞いて保健医療や福祉サービスを作り、社会インフラの事業者と連携すること
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