「慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑独島里 東経百三十二 北緯三十七 平均気温十二度 降水量は千三百 独島は我らの地」。韓国人なら誰でもリズムをつけて歌える「独島ヌン ウリタン(独島は我らの地)」という曲の一節である。ロンドン五輪のサッカー日韓戦で、韓国人選手が掲げて国際的にも問題になった。 所在地や気象条件など事実を淡々と連ねているだけのようである。だが、行政区域の変更に伴い歌詞も変わり、それだけ「独島」に対して韓国が「主権を行使」しているという思いを強めていく。毎日何気なく見聞きする天気予報や地図は政治教育そのもので、「私たち」の想像力をかたちづくる。「竹島をめぐって日韓の間には領有権紛争が存在する」という主張でさえ、「妄言」として映るのにはそれなりに理由がある。