1年間の連載のなかで、さまざまなテーマの自己啓発書を読んできました。自己啓発書ガイドを皮切りに、「心」の扱いかた、20・30・40代論、ピーター・ドラッカー、仕事の辛さへの対処法、セルフ・ブランディング、女性の生き方、手帳術、掃除・片づけ、スポーツ、就職活動とみてきました。連載を終えるにあたって、こうした各テーマに共通する傾向、いわば自己啓発書一般にみられる「法則」のようなものについて考えてみたいと思います。 今回はまず2点考えてみます。1つは、ある特定のテーマの自己啓発書や、ある特定のフレーズがいかにして流行るのか、つまり自己啓発書の「流行」について。もう1つは、こうした自己啓発書の流行と「社会との関係」についてです。後者についてはここまでの連載のなかで既に幾度か言及してきたことですが、改めて整理したいと思います。 では第1点目、「流行」についてですが、まずはその主要パターンを押さえてお