◇「ぎりぎりの人にしわ寄せ」 東日本大震災後、都内でも生活困窮者の姿が目立つ。ホームレス支援団体によると、年度初めは短期の仕事が少ない時期にあたるが、今年はさらに、震災被災者に注目が集まり、路上生活者は人々の関心から外れてしまう傾向があるという。支援団体は「被災地支援は当然だが、ぎりぎりの人にしわ寄せが来てしまっている」と心配する。【青島顕】 5月28日夕、強い雨の降り注ぐ池袋のサンシャイン60に近い公園。路上生活者の支援活動をしているNPO法人「てのはし」の弁当配りに310人が列を作った。大半は中高年男性だが、女性や若い人も交じっていた。 「おかわり」を含めて用意した500食は20分ほどで配り終えた。公園の片隅で、傘も差さず、ずぶぬれになって鶏肉と野菜の煮込みをほおばっていた中年の男性は「上野のネットカフェに泊まっていて、2時間かけて歩いてきた。週末は仕事がないからね」と話した。 2週間