中国共産党100周年となった7月1日、香港では抗議集会が禁じられた(2021年7月1日) TYRONE SIU-REUTERS <国家安全維持法の導入から1年がたち、香港は警察都市に変わってしまった。かつては1人の政治犯もいなかったが、今は無数の民主活動家が獄につながれている> 中国政府が香港に鉄拳支配を確立するのは不可能だ。ただし、あそこを破壊するなら話は別だ──筆者は2019年にそう書いた。あれから2年、中国政府は本気で香港を破壊し、あの「抵抗都市」を服従させようとしている。手段を選ばずに。 1年前の6月30日(香港「返還」23周年の前夜だった)、中国政府は香港に国家安全維持法(国安法)を適用した。 正しくは「体制維持法」と呼ぶべきだろうが、要は「国家分裂の策動や反政府行為、テロや外国勢力との共謀」を「予防・阻止・処罰」するための法律だが、どの文言も曖昧で、いかなる反体制活動も処罰の対
