<ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障への懸念が強まり、多くの国で気候変動政策が停滞している> [ドバイ発]アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で8日、恒例の「気候変動パフォーマンス指数(CCPI)」2024年版が発表された。COP28で2度にわたって不名誉な「今日の化石賞」に選ばれた日本は63カ国と欧州連合(EU)の中で前年の50位からさらにランクを8つ下げ、58位に沈んだ。 環境や気候変動問題のシンクタンク「ジャーマンウォッチ」と「ニュークライメート・インスティチュート」、国際環境団体のネットワーク「CANインターナショナル」が05年から19年連続で発表している。昨年のロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障への懸念が強まり、多くの国で気候変動政策が停滞している。 63カ国とEUで世界の温室効果ガス排出量
<大胆なファッションで雑誌の表紙を飾ったエミリー・ラタコウスキーだが、そこで撮影されたうちの1枚に怒りの声が殺到した> モデルで俳優のエミリー・ラタコウスキーが、雑誌「M」の表紙モデルを務めた。これに合わせて彼女は、肌を大胆に見せつつスリムな上半身のラインを強調するような薄手のトップスにジーンズなど、複数の衣装を着た写真をSNSで披露。しかし、その中の1枚が「ファットフォビック(肥満嫌悪)」だと、怒りの声を引き起こしてしまった。 ■【写真】上半身は身体のラインがくっきり、下半身はオーバーサイズ...米モデルの「過激写真」に批判「恥を知れ」 ラタコウスキーは、2021年に出版したエッセイ集『My Body』(原題)でフェミニズムと「ボディポジティブ」を尊重する姿勢を示し、熱狂的なファンを獲得している。 同書の紹介文にはこう記されている。「現代のマルチセレブリティの代表であるエミリー・ラタコウ
数十年前、教会や学校、スポーツチームなどで児童性的虐待が頻発していたことは、イギリスの国家的トラウマになっている(写真はイメージです) matimix-shutterstock <学校や教会、スポーツクラブで、「信頼すべき大人」による児童性的虐待が多発していた数十年前のイギリスでは、至る所に魔の手があった> まず結論を言っておくと、僕自身が惨事に遭ったわけではない(これから述べる現在の話も、過去の話でも)。僕は先日、救急外来の世話になったのだが、診察を受けた結果、何事もなくて済んだ。でも、同じ部屋にもう1人だけいた女性患者にとっては、実にトラウマに満ちた時間だったようだ。数十年前の子供時代に受けた性的虐待に苦しんで自殺を図ろうとした女性だったのだから。あまりに彼女が苦しそうな様子だったので、僕まで自分のつらい記憶の数々を思い出す羽目になってしまった。 とは言っても僕は、児童虐待が蔓延してい
<貧弱な装備に、頼りない補給網、そして終わりのみえない「特別軍事作戦」......。これまで積極的にプロパガンダを流していたロシアのTVで、戦況に対する不満が噴出している> ロシア国営チャンネルやプロパガンダを積極的に伝えていた特派員などから、従来であれば考えられなかったようなロシア軍への批判が聴かれるようになった。 国営TV局『ロシア1』のトークショーでは、番組司会者のウラジミール・ソロヴィヨフ氏が兵站への不満をぶちまけた。「けれど、我々の兵に何かを届けるのは事実上不可能では。この不満は100回も述べてきた。」 氏は補給網に問題があると指摘し、前線の兵士に物資を届けるまでに長時間を要していると指摘している。 ウクライナ戦線で重要な役割を占めるドローンについても、生産数の少なさと輸送網の貧弱さが足かせになっていると氏は嘆く。「ドンバス地方に何かを持ち込みたいなら、(西部)リヴィウのウクライ
ロンドンで行われたエイメスの追悼集会(10月18日) HESTHER NGーSOPA IMAGESーLIGHTROCKET/GETTY IMAGES <人種差別と言われかねないから誰も口にしないが、イギリスは明らかに移民の問題を抱えている> 僕の地元の英イングランド東部エセックス州で10月15日、デービッド・エイメス下院議員が刺殺された事件は、イギリス全土に衝撃と悲しみをもたらした。だがその後、殺人とテロの容疑で逮捕された男がソマリア系英国人だと分かったことには、さほど驚きの声は上がらなかった。 イギリスには、誰の目にも明らかなパターンがある。戦争で荒廃した国やイスラム諸国から来た移民が、その人口比に見合わずあまりに多くのテロ攻撃に関与しているということだ。 過去20年に起こった数々の事件はどれも重大で、ここではほんの端的な概要を挙げることしかできないが、それぞれの事件の影には深い悲劇があ
<イングランドでは新型コロナウイルスの規制が7月19日にほぼ全て解除され、「自由の日」になった。それでもまだロックダウンを続けるべきだと主張する人も多いが、この対立構図はブレグジットの時とそっくりだ> 理論上は、新型コロナウイルスの残りの規制もほぼ全て解除された7月19日は、イングランドにとっての「自由の日」になった。「理論上は」と言ったのは、大多数の人々は既にやりたいことはしていたからだ。 例えば、(7人以上の集会を禁じた)「6人ルール」の延長の是非を英政府が議論していたその日、サッカー欧州選手権でイングランドがウクライナに勝利しベスト4進出が決まったことで、僕の住む街でも何百人もの人々が路上で歌い踊り、抱き合って騒いでいた。彼らが道路をふさがないようにと警察が駆り出されていたが、群衆を追い払おうとも距離を取らせようともしていなかった。 イギリスの度重なるロックダウン(都市封鎖)や規制は
中国共産党100周年となった7月1日、香港では抗議集会が禁じられた(2021年7月1日) TYRONE SIU-REUTERS <国家安全維持法の導入から1年がたち、香港は警察都市に変わってしまった。かつては1人の政治犯もいなかったが、今は無数の民主活動家が獄につながれている> 中国政府が香港に鉄拳支配を確立するのは不可能だ。ただし、あそこを破壊するなら話は別だ──筆者は2019年にそう書いた。あれから2年、中国政府は本気で香港を破壊し、あの「抵抗都市」を服従させようとしている。手段を選ばずに。 1年前の6月30日(香港「返還」23周年の前夜だった)、中国政府は香港に国家安全維持法(国安法)を適用した。 正しくは「体制維持法」と呼ぶべきだろうが、要は「国家分裂の策動や反政府行為、テロや外国勢力との共謀」を「予防・阻止・処罰」するための法律だが、どの文言も曖昧で、いかなる反体制活動も処罰の対
東京五輪水泳会場の披露式典に参加した池江選手(2020年10月24日、東京都江東区) Issei Kato-REUTERS <アスリートと一般市民の利害は今や根本的に対立している。そうさせたのは、コロナ無策のまま五輪を強行しようとする政権の姿勢だ> 5月7日、オリンピック水泳日本代表の池江璃花子選手がTwitterを更新し、選手選考会以後、オリンピック辞退や反対の表明を求めるコメントがSNSなどに寄せられ、中には心ない内容のものもあったとして、「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません」「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」「頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」と綴った。 このツイートは直ちに各社のニュース記事になり、池江選手には同情の声
<革命防衛隊から届いた兵役免除通知で同性愛を知った親族の男3人に首を切断された疑い> イランで5月上旬、20歳のアリレザ・ファゼリ・モンフェアド(通称アリ)が、同性愛者であることを理由に殺害される事件があった。アリが同性愛を理由に兵役を免れたと知った男性親族3人が、彼の首を切って殺したものとみられている。 fanpage.it/YouTube 報道によれば、イラン南西部アフワーズ出身のアリは、5月4日に殺害された。ロンドンに拠点を置くペルシャ語放送局のイラン・インターナショナルが8日に報じたところによれば、事件に先立ち、複数の親族がイラン革命防衛隊から送られてきた通知書を目にしていた。通知書には、アリの性的指向を理由に兵役を「免除」する旨が記されていた。 イランでは男性に2年間の兵役義務が課されているが、法律により「性転換などの道徳的・性的な堕落」が認められる者については、兵役を免除するこ
新型コロナ第3波への警戒が続くベルギーで大規模な野外パーティーが開催され、物議を醸している。 5月1日、首都ブリュッセル市内の公園で4月に続き2度目のパーティーが企画され、ノーマスクの若者など数千人が集合。 群衆の一部が解散の指示に従わなかったため、警察が催涙弾を使用する事態に。放水銃で吹き飛ばされる参加者もいた。
女王アリが死亡した時点から、コロニーのメスの7割ほどが闘いに加わり、争いは最長で40日間ほど続く...... Credit...Clint Penick <女王アリとして生殖能力を高めるために脳の一部を犠牲にする、ユニークなアリの生態が判明した......> 脳の大きさを変化させるめずらしい生態が今回明らかになったのは、インドクワガタアリと呼ばれる体長2.5センチほどの大型のアリだ。大きな眼とまるでクワガタのような大アゴが特徴的で、インドの湿潤な平野部に多く生息している。体長の4倍ほどの距離をジャンプして獲物を狩ることから、ジャンプアリの別名でも呼ばれる。 脳の衰退の前提として、まずはそのユニークな繁殖システムを把握しておきたい。多くのアリの種では、女王アリとなるべき個体は孵化直後から決まっている。ところがインドクワガタアリの場合、すべてのメスのアリにチャンスがある。コロニーの大多数のメス
<コロナとロックダウンの経済的打撃を緩和し、市場崩壊を防ぐために導入されたイギリスの支援策の数々は、ことごとく富裕層の懐を潤わせる結果に> 新型コロナウイルスとそれに伴うロックダウン(都市封鎖)はイギリスに経済的大打撃を与えた。堅調なはずのビジネスが破綻した。コロナ以前から「どうにかやりくりしていた」多くの人々は打ちのめされている。最も貯金が少ない25歳以下の若年層は、失業リスクも高い。経済が縮小し、税収が減少するなか、英政府は巨額を借り入れている。 1年越し以上になるこのコロナ危機の不都合な真実は、以前から裕福な数百万人の人々、特にイギリスの最富裕地域で暮らす人々にとってはタナボタになっているということだ。僕自身はこのカテゴリーに入る。カテゴリー内の最下層に位置してはいるが。 まずは穏当な理由から。ロックダウンの間、映画や買い物、レストランやパブや休暇に以前ほどお金を費やせなくなったとい
「活気にあふれた香港から東京に戻ると、日本全体が寂れたシャッター街のように見える」と相場英雄氏は語る。REUTERS - Thomas Peter いまや日本社会は外国人労働者なしには成り立たない。それは健全なのか。作家・相場英雄氏は最新刊『アンダークラス』(小学館)で、外国人技能実習生の問題を取り上げた。相場氏は「日本人は貧乏になった。だから労働力を外国人に頼らざるを得ない。その事実に気付いていない人が多すぎる」という――。 ニューヨークでは「ラーメン一杯2000円」が当たり前 ──『アンダークラス』で技能実習生の問題に着目したいきさつを教えてください。 僕の仕事場は新宿・歌舞伎町の近くにあるのですが、この数年、人の流れが目に見えて変わってきました。 朝方、24時間営業のハンバーガーチェーンで、大きなバックパックを背負った配達員が眠りこけている。その隣には、たくさんの荷物が入った手提げ袋
<イギリスでは昨年から銅像引き倒しが続くが、アイルランド系イギリス人の視点で見れば、黒人目線だけで複雑な歴史上の人物に評価を下すのはあまりに一方的だ> 英南西部ブリストルでは、奴隷貿易商のエドワード・コルストンの像が川に投げ込まれた。ロンドンでは、チャーチル元首相の像に「人種差別主義者」の落書きがされた。オックスフォード大学では、帝国主義者のセシル・ローズの像をオーリエル・カレッジから撤去すべきとの声が上がっている。「ローズを撤去せよ」は、BLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動のスローガンになっている。 これを受けてローズ像の処遇を検討するための委員会を立ち上げたオーリエル・カレッジは今年、報告書を発表することになっているし、2月にはロンドンのカーン市長が首都の公共空間での「多様性改善」(像や通りの名称を再検討する)委員会を発足させた。カーンがこの計画を発表したのは、昨年
<高齢者施設でのコロナ死亡者数を少なく報告していたことについては、同情すべき点もあるが......> 2020年春の新型コロナウイルスの感染爆発では、毎日昼に定例会見を行って情報公開に努めていたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事のマネジメントは国内外から称賛されていました。私もこの時期は、毎日リアルタイムで会見を見ては新型コロナに対する政策論議における参考にしていたのは事実です。 ところが、そのクオモ知事が政治的な窮地に立たされています。その原因は、州内の高齢者向けの長期入所型福祉施設、つまり老人ホームなどでの新型コロナ死亡者数に関して、過少に発表していたという問題です。 具体的な数字ですが、ニューヨーク・タイムズ紙などによる最新報道では、こうした施設入所者における新型コロナの死亡者数は1万5000を超えているにもかかわらず、1月末の段階では8500しか報告していなかったとされていま
Why QAnon Followers Think Donald Trump Will Be Sworn Back In on March 4 <荒唐無稽な予言の主たる根拠は、アメリカは1871年に株式会社化されており、それ以降の大統領は正統な大統領ではないという反政府過激主義> アメリカを動かす影の政府「ディープ・ステート」や悪魔崇拝の小児性愛者組織とトランプが戦っているというQAnon(Qアノン)陰謀論を信じる人々は、大統領に再選されたトランプがこれらの敵を倒してくれると本気で信じていた。 だがトランプは大統領選で敗北し、大統領就任式の日にディープ・ステート関係者を一網打尽にして処罰することもできなかった。失望したQアノン信奉者は次は今、3月4日を新たなターゲットに定めている。 ジョー・バイデンは1月20日の式典を無事に終えて新大統領に就任し、2017年後半以降のQアノンの予言はすべて
非接触のデビットカード支払いはコロナ感染予防にも効果的なはずなのに、なぜかEUは低めな限度額を設定 Phil Noble-REUTERS <生理用品に余計な課税、デビットカード支払いの中途半端な限度額、預金保証限度額の謎な設定......EUのおかげで理不尽な決まりがまかり通っていたが> イギリスはいくつかの理由でEUを離脱した。そのうちよく言われるものの1つは、EUの「狭量な官僚主義」、言いかえるなら「EU本部による干渉」だ。僕にはこのことが外の世界によく理解されているとも思えないので、ちょっとした例を挙げてみたい。 「移行期間」が終わってイギリスがついにEU本部のルールに従うのをやめるやいなや、1つの制度変更が即座に実行された。女性の生理用品への課税が撤廃されたのだ。 EUのルールでは、各国は生理用品に消費税を課さなければならなかった。これはイギリスにとって納得し難いものだった。女性の
太平天国に現れた問題点は、急速に大国化へ向かう今の中国でも未解決のままくすぶり続けているという。画像は南京郊外で戦う太平天国軍。 © Wu Youru 2000万人超の死者を出した「太平天国の乱」とは何だったのか。国際基督教大学の菊池秀明教授は「太平天国に現れた問題点は、急速に大国化へ向かう今の中国でも未解決のままくすぶり続けている。権力集中、不寛容さは香港や台湾にも深刻な影響を与えている」という――。 太平天国の乱とは何だったのか 14年にわたる太平天国の内戦は1864年に終わった。戦場となった地域とくに江南三省(江蘇、安徽、浙江)の被害は大きく、江蘇だけで死者は2000万人を超えた。読書人たちは流亡の苦しみに遭い、死んだ男女を「忠義」を尽くした者や「烈女」として顕彰した。死者の記憶は儒教を中心とする伝統文化の再興という形をとって伝えられた。 清朝は南京占領後も太平天国の生き残りに対する
握手には契約が結ばれたことを象徴する、法的な意味もあるという...... MangoStar_Studio-iStock <ドイツ帰化試験に合格したレバノン人男性が、合格証書を授与するはずだった女性公務員との握手を拒んだため、帰化申請が却下され、国籍取得が反故になったことが問題となっている...... > 2015年にドイツ帰化試験に高得点で合格したレバノン人男性が、合格証書を授与するはずだった女性公務員との握手を拒んだため、帰化申請が却下され、国籍取得が反故になった。 男性はその翌年、シュトゥットガルトの地方行政裁判所に提訴したが却下、さらに州連邦裁判所に上訴したが、今月17日ふたたび却下された。 ほぼ満点獲得も...... この40歳のレバノン人男性は、2002年にドイツに入国、ドイツ語コースと医学を修め、現在は医師として働いている。約10年前、ドイツ生まれのシリア系市民と結婚し、入国
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