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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (8)

  • 高校の偏差値と体力の相関

    東京都は毎年,「児童・生徒体力・運動能力,生活・運動習慣等調査」を実施しています。調査対象は,都内の公立小・中・高校生です。驚くべきことに,高校調査の結果は,個々の学校別に公表されています。 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/seisaku_sport-8.htm 高校段階になると,いわゆるランク別の学校分化が明瞭になるのは,誰もが知っています。教育社会学をやっている人間ならば,こうしたランク別にみて,体力テストの結果がどう異なるか,という問題に関心を持つことでしょう。 学力テストであれば,入試偏差値が高い高校ほど成績がよい,という傾向がクリアーに出るでしょうが,体力のほうは如何。私は,調査対象の都立高校を入試偏差値の群に仕分け,体力テストの結果の平均値を群ごとに比較してみました。 入試偏差値は,下記サイトのものを使わせていただきました。 ht

    高校の偏差値と体力の相関
  • 中高年未婚者の不幸感

    既婚者と未婚者に,「あなたはどれくらい幸福ですか」と尋ねたら,否定の回答はおそらく後者のほうが多いでしょう。 毎度使っている「世界価値観調査」(2010~14年)では,各国の対象者に上記の事項を尋ねています。日の30~50代男性のサンプルを既婚者と未婚者に分け,この設問に「あまり幸福でない」ないしは「全く幸福でない」と答えた者の比率を出すと,前者が6.5%,後者が43.5%と大きな差があります。

    中高年未婚者の不幸感
  • 職業別の年収と未婚率の相関

    2014年2月9日の記事では,職業別の生涯未婚率を明らかにしたのですが,この記事はブログの中で一番読まれています。このようなデータはあまりないため,多くの人の関心を引いたのだと思います。 はて,なぜ職業によって未婚率が異なるのか。個々人の自由意思の総和が偶然そうなっているだけだ,という説明は到底成り立ちません。言わずもがな,各職業が得る富量や威信(prestige)が大きく影響しているとみられます。とりわけ男性にあってはそうでしょう。 それぞれの職業の威信は数値化が難しいのですが,各々が手にする富量は年収という指標で可視化できます。今回は,「就業構造基調査」の職業中分類の統計を使って,年収と生涯未婚率の相関図を描いてみようと思います。わが国の結婚市場の現実を明らかにする作業の一つです。 私はまず,2012年の「就業構造基調査」のデータを用いて,有業男女の職業別の平均年収を計算しました

    職業別の年収と未婚率の相関
  • 首都圏の年収地図(2013年)

    この調査では,都道府県よりも下った区市町村のレベルにおいて,世帯単位の年収分布が明らかにされています。したがって,このデータを加工すれば,区市町村別の平均年収も計算できる次第です。 県別の平均年収のデータはよく見かけますが,それよりも下りた区市町村レベルのそれはあまり知られていないのではないでしょうか。まあ,ネットアンケートによる「お金持ちの地域はどこ?」みたいな記事はありますが,信頼度の高い官庁統計を使って地図を描いてみるとどうでしょう。今回は,それをしてみようと思います。 調査では,世帯の年間収入が調査されていますが,用語解説によると「世帯全員の1年間の収入(税込)」だそうです。給与のほか,ボーナスや年金なども含むトータルな収入額です。私が住んでいる多摩市(東京)の総世帯の年収分布は,以下のようになっています。年収が判明した63,870世帯の分布表です。

    首都圏の年収地図(2013年)
  • 都道府県別の学生バイト

    最近,ブラック企業ならぬ「ブラックバイト」の存在も知られるようになってきています。メチャクチャな条件のバイトのことで,正社員並みの責任を負わされる,試験前でも休ませてくれない,というようなものです。言わずもがな,主な被害者は学生です。 学生のバイト実態については各種の調査がなされていますが,官庁統計からもそれを知ることができます。総務省の『社会生活基調査』では,在学者の1日当たりの平均生活行動時間を明らかにしているのですが,設けられている属性カテゴリーの中に,小・中・高校生以外の「その他の在学者」があります。大学生や専門学校生など,中等後教育機関の学生とみてよいでしょう。 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/h23kekka.htm 「その他の在学者」(以下,学生)は,平日1日あたりどれほど仕事(バイト)をしているのでしょうか。原資料には,①総平

    都道府県別の学生バイト
  • 教員の年齢層別の勤務時間

    前々回の記事では,中学校教員の勤務時間の国際比較をしましたが,日の教員は世界一働いていることを知りました(うち多くは事務などの雑務)。 しかるに教員といっても,一枚岩の存在ではありません。男性もいれば女性もおり,若年層もいれば高年層もいます。過労に陥っているのは誰か。こういう問題を考えることも必要になります。いわゆる,属性別の分析です。 今回は,中学校教員の年齢層別の勤務時間をみてみましょう。日は年齢による役割規範が強い社会ですが,長時間勤務の問題をとっても,年齢によって様相は違うと思われます。 データは,このほど公表された国際教員調査(TALIS 2013)です。調査では,対象の中学校教員に対し,週当たりの勤務時間を尋ねています。自宅での教材研究なども含む,広義の勤務時間です。実際の時数を記入してもらう形式ですが,入力段階のローデータを加工して,10時間ごとの6カテゴリーにまとめま

    教員の年齢層別の勤務時間
  • 子育て期における人口増加率地図

    昨日の読売新聞が報じたところによると,2013年中の転出超過が全国一だったのは,神奈川県の横須賀市だそうです。とりわけ転出が多いのは子育て世代とのこと。これに対し市長は,「誠に遺憾。転出の抑制と転入の促進の方策を打ち出したい」とコメントしています。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140131-OYT1T00535.htm?from=tw 前にどこかで書きましたが,ヒトの動き(mobility)というのは正直です。水が高きから低きに流れるがごとく,魅力的な地域には人が入り,そうでない所からは人は出ていくというのは道理です。 私はこういう考えのもと,子育て期における人口増減を,都内の49市区別に明らかにしてみました。計算したのは,20代後半から30代前半にかけての人口増加率です。この値が高いほど,子育てに選ばれている地域という見方をとります。

    子育て期における人口増加率地図
  • 若年正社員のブラック企業勤務者率

    今や,現代日の流行語にもなっている「ブラック企業」。「労働者を酷使・選別し,使い捨てにする企業」のことですが(コトバンク),「酷使・選別・使い捨て」の対象にされるのは,新たに入社してくる若年社員であるといわれます。 未来の日を背負って立つ若年労働力を使い潰すブラック企業は,社会全体にとって大きな問題を孕んでいるといえるでしょう。今野晴貴さんによる「日い潰す妖怪」という形容は,実に的を射たものなり(『ブラック企業』文春新書,2012年)。 今月から厚労省がこの「妖怪」退治に乗り出すそうですが,徹底した摘発を行っていただきたいと思います。 さて,このように問題視されているブラック企業ですが,数でみてどれほど存在するのでしょうか。あいにく,この点に関する統計はないようです。まあ,企業に社員の労働時間を尋ねても,正直に答えるわけありませんものね。 記録の提出を求めても,記録そのものが改ざ

    若年正社員のブラック企業勤務者率
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