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  • 近隣窮乏化の誘惑 - 池田信夫 blog

    欧州通貨が激しく下がっている。今日は1ユーロ=117円と、図のように4ヶ月で30%以上下がった。ポンドに至っては40%以上も下がった。同じ時期にドルは、15%しか下がっていない。それでも外銀のファンドマネジャーによると「ユーロは利下げでもう一段下がる可能性があるので、おすすめできない」という。 この背景にはEU各国政府の足並みが乱れて機動的な政策をとれないこともあるが、通貨安によって輸出企業を救済する意図もあるようだ。巨額の銀行救済で各国の財政赤字がふくらむことも、通貨下落の原因になっている。どこまで意図されたものかは別として、これは結果的には一種の近隣窮乏化(beggar-thy-neighbor)政策である。そのしわよせは、独歩高になった円にきている。 これは30年前の状況を思わせる。2度の石油危機でインフレと失業が発生したとき、欧米各国は失業対策を優先して「ケインズ政策」をとった

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    mallion 2008/12/05
    『2度の石油危機でインフレと失業が発生したとき、欧米各国は失業対策を優先して「ケインズ政策」をとったが、日本はインフレを重視して金融引き締めを行なった。結果としては、日本が正解だった。』
  • 日本語はすでに亡びている - 池田信夫 blog

    書はちょっと前にブログ界で話題になったようだが、が買って「つまらない」といって投げ出した。私もパラパラと読んでみたが、やはりつまらなかった。論旨が整理されておらず、何がいいたいのかよくわからないのだ。タイトルから日語が文字どおり使われなくなると主張しているのかと思って読むと、どうもそうではないようだ。要するに、このまま放置すると英語が<普遍語>になり、日語が<現地語>になって、日文学が亡びるので守らなければいけないということらしいが、これは認識として間違っている。少なくとも学問やビジネスの世界では、日語はとっくに現地語でしかない。 著者は「日文学の衰退」をしきりに憂えるが、私はローカルな文化としての日語は衰えないと思う。問題はむしろ日語が発達しすぎ、ほとんどの用がそれで足りるため、すべての文化が国内で閉じていることだ。国際学会に出ると、日語の発表はもちろん、日人の発

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    mallion 2008/12/04
    『日本語の本しか読まないビジネスマンは、世界から取り残されているのだが、彼らは取り残されたことさえ気づかない。』
  • シュンペーターの逆説 - 池田信夫 blog

    今週のASCII.jpにも書いたが、朝日新聞が初の赤字に転落したのは、業界にはけっこう衝撃的なニュースだったようだ。これは欧米ではすでに起こっていることで、遅かれ早かれ避けられない。日では再販制度で守られてきたぶん、独占利潤の崩壊が遅れただけだ。 では新聞サイトで購読料モデルが成り立つかというと、Economistのような高級紙(誌)かポルノサイト以外は無理だろう。広告モデルも、Facebookでさえ赤字だ。"Groundswell"にも書かれているように、Web2.0は既存企業を補完するビジネスで、それ自体で黒字になることはむずかしい。今どき『情報革命バブルの崩壊』とかいう恥ずかしいタイトルのを出す評論家もいるが、そんなことはとっくにわかっている。問題は、そこから先の「情報が無料に近づいてゆくウェブで、ビジネスは成り立つのか」ということだ。 実は、これは資主義はじまって以来の難

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    mallion 2008/11/30
    Knight / 『社会全体では、おそらくrisk loverよりrisk averterのほうが多いだろうが、そういう人はサラリーマンになるので関係ない。企業活動を行なう人は必ずリスク愛好的なバイアスをもっている』 ので事前自由を拡大せよと
  • クロード・レヴィ=ストロース - 池田信夫 blog

    レヴィ=ストロースが、今日で100歳を迎えた。20世紀を代表する知性が1世紀を生き、しかも今でも執筆活動を続けている(今年も新刊が出た)のは驚異的だ。彼のライフワークは『神話論理』だが、質量ともに一般の読者むけの書物ではないので、代表作といえば書だろう。私も書に影響を受け、東大文化人類学の大学院の試験を受けたことがある(論文試験まで通ったが、口頭試問で中根千枝と喧嘩して落ちた)。 1962年に発表されたころ、書の最終章でサルトルを批判した部分が「構造主義」の宣言として注目されたが、そういう「主義」のだと思って読むと戸惑う。主要部分は彼のフィールドワークや神話研究などの紹介で、多くの具体例によってデカルト的理性が西洋人の独占物ではなく、「未開人」にも共有されていることを実証しようとする「具体的なものの科学」だ。むしろ「歴史と弁証法」を論じる最終章が唐突な印象を与える。 世の中的

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    mallion 2008/11/30
    『レヴィ=ストロースが、今日で100歳を迎えた。』 おめでとうございます。本書未読……
  • ケインズの闘い - 池田信夫 blog

    私は学生時代に、先生の下請けで『ケインズ全集』の下訳をやったことがある。第1次大戦後の賠償問題についての事務的な書簡で、訳していて疲れたが、彼の官僚としての優秀さを実感した(その先生が死去したため、訳はいまだに出ていない)。よく知られているように、ケインズはヴェルサイユ条約でドイツに莫大な賠償を課すことに反対したが、結局フランスに押し切られた。このときケインズの案が通っていたら、第2次大戦は起こらなかっただろう。 書を読むと、ケインズの質は経済学者ではなく、官僚あるいは政治家だったことがわかる。政治というのは「総合芸術」であり、経済学はその一部にすぎない。ケインズも、経済学は「モラル・サイエンス」のテクニカルな手段だと考えていた。「わが孫たちの経済的可能性」というエッセイ(1930)には、次のような一節がある:I draw the conclusion that, assuming

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    mallion 2008/11/30
    『ケインズの本質は経済学者ではなく、官僚あるいは政治家だったことがわかる。政治というのは「総合芸術」であり、経済学はその一部にすぎない。』
  • 「意味づけ」の病 - 池田信夫 blog

    元厚生事務次官殺害事件は、やはり頭のおかしい男の場当たり的な殺人のようだ。ワイドショーでは朝から晩まで、いろんなコメンテーターがこの事件の「意味」を解説しているが、それは無駄である。「犬の仇討ち」というシュールな動機も、当かどうかはわからない。むしろ統合失調症のような疾患を疑ったほうがいいだろう。 秋葉原殺人事件のときも、私のところにコメントを求める取材や、で対談してくれという話が来たが、すべて断った。精神異常者はどんな社会にも存在し、彼らは一定の確率で殺人をおかす。その対象が家族であればベタ記事にしかならないが、「秋葉原」や「厚生省」という意味がつくと、メディアが大きく取り上げる。この種の報道は憶測ばかりで、犯罪の連鎖を呼ぶ有害無益なものだ。 こうしたワイドショー的発想の典型が書である(リンクは張ってない)。内容は、およそ論評にも値しないバラバラの雑文の寄せ集めだ。として最低

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    mallion 2008/11/30
    『このような「物語」づくりが顕著になったのは、おそらく偶然ではない。かつては資本主義と社会主義という大きな物語があり』うんぬん。 これ東が言ってることじゃん(笑)
  • 警察ネタの過剰 - 池田信夫 blog

    ここ数日、各社のトップニュースは元厚生事務次官殺害事件の関連で埋まっているが、もううんざりだ。最新のニュースでは、犯人らしき人物がTBSのサイトに「今回の決起は年金テロではなく、34年前に保健所に殺されたペットの仇討ちである」などと書いており、ただの精神異常者の犯行である可能性が強い。 海外から帰ってきて日テレビを見ると、いつも違和感を抱くのは、こういう警察ネタの扱いが異様に大きいことだ。たとえばBBCのサイトを見ればわかるように、世界の大手メディアのヘッドラインは政治・経済・外交というのが常識で、殺人事件がトップに来るのはSunのような大衆紙だ。 ところが日では、NHKも警察ネタだらけ。これはメディアの組織内事情もある。海外では基的に高級紙は警察ネタを取材せず、通信社の配信した情報から重要なものがあれば取材する。ところが日では各県警や(東京の場合)方面部に大量の記者を張り

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    mallion 2008/11/23
    『要するに、日本のメディアは本質的には大衆紙なのだ。これは新聞が最大1000万部近くも売れている状況の必然的な結果ともいえるが、すべてのメディアがSunになってBBCが皆無』 な、なるほど!
  • 大麻は合法化して規制すべきだ - 池田信夫 blog

    「大麻汚染」をめぐる過剰報道が続いているが、さすがに一部のメディアは日の刑罰が異常だということに気づいて、トーンが変わってきた。けさの朝日新聞には、リードで「時代にそぐわなくなった法律を改正する時期に来ている」という「捜査関係者」の話を紹介する一方で、「タバコ・酒より有害」という「厚労省」の話を囲みで紹介する分裂した記事が出ている。産経も社説では「安易な姿勢厳しく戒めよ」と書いているが、「正論」には竹内久美子氏の「大麻はタバコと同様に有害」という記事を載せ、多くの先進国が事実上合法化したことを紹介している:こうした続々の解禁。それは1995年にイギリスの医学雑誌『ランセット』に発表された、30年にわたる調査で、大麻を長期使用しても健康に問題はないとの見解が示されたことが一番大きいだろう。『ランセット』は、『ネイチャー』に匹敵するくらい格式の高い医学雑誌である。これが世界の常識だ。知らない

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    mallion 2008/11/23
    『禁酒法がマフィアを育てた』
  • [中級経済学事典] 情報の非対称性 - 池田信夫 blog

    世の中には、いかにも経済学用語っぽいbuzzwordを振り回して、一般人をたぶらかすニセ経済学者がけっこういる。彼らの話は、大学1年生の教科書にはない「中級」の言葉を使うのが特徴だ。それを一般サラリーマンが読むだけなら害はないが、官僚や経営者がそれを信じて誤った政策や経営方針を決めると、多くの人が迷惑する。そこで、不定期に「中級経済学事典」と銘打って、こうした間違いをただすことにした。 最近の経済危機にからんで、情報の非対称性という言葉がよく使われる。たとえば金子勝氏は、いろいろな著書で繰り返しこのように書く:市場には、プレーヤー同士がお互い情報を完全に知りえないという「情報の非対称」がつきまとっています。慶応大学では、こんな初歩的な間違いを講義で教えているのか。教師の品質管理は、どうなっているのだろうか。情報の非対称性(私的情報)とは「お互いが知らない」ことではなく、principal

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    mallion 2008/11/23
    『本質的な問題は、資本市場のインフラを整備して金融商品の透明性や流動性を高め、非対称性を減らすことである。』 自分が仕組みを理解できない商品は買うな、ということですね。
  • 医師会には社会的常識が欠落している人が多い - 池田信夫 blog

    麻生首相の「失言」が次々に問題になっている。きょうは「医者には社会的常識が欠落している人が多い」という発言が槍玉に上がっているが、これは文脈を無視した引用である。もとの発言は、朝日新聞によれば、(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも「医者の数を減らせ減らせ、多すぎる」と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある。というもので、これは正論だ。小倉秀夫氏も指摘するように、かつて「医師過剰」の是正を繰り返し求めたのは日医師会出身の議員だった。たとえば1993年に参議院文教委員会で、宮崎秀樹議員(当時)は次は、大学の医学部、医科大学の学生定員の問題でございます。これに関しましてはいろいろ定員削減という方向で文部省と厚生省との話し合いができておりまして、一〇%削減、こういう目標を立ててやっているのですが、実際にはそこま

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    mallion 2008/11/21
    『(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。』『医師全体がどうかは知らないが、医師会に社会的常識の欠落した人が多いことは間違いない。』
  • 大麻で逮捕するならタバコを禁止せよ - 池田信夫 blog

    このところ「大麻汚染」についてのニュースが多いが、大麻の種を10粒もっていたぐらいで逮捕する国は、先進国にはない。アメリカの大統領選挙と一緒に行なわれた住民投票では、多くの州で大麻は合法化されるかきわめて軽微な罰則になった。 もちろん大麻に問題がないわけではない。しかし、その毒性も依存性も、アルコールやタバコより低い。大麻にこれほど大騒ぎするなら、日も禁酒法をつくり、喫煙者を逮捕しなければ論理的におかしい。こんにゃくゼリーを禁止するなら、の販売も禁止すべきだ。ついでに、あなたを殺す最大のリスクである自動車も禁止すべきだ。 世の中にはさまざまなリスクがあり、それをゼロにすることは必要でも可能でもない。タバコの社会的コストは5兆6000億円という推定もあり、大麻とは比較にならない。タバコのリスクを「自己責任」で認めるなら、同じ理由で大麻も合法化すべきだ。フリードマン以来、指摘されてきた

    mallion
    mallion 2008/11/16
    中島らも氏もおんなじようなこと言ってたな。まあ自分で使うつもりはないけど。
  • 小室哲哉シンドローム - 池田信夫 blog

    きのうは「小室逮捕」が米大統領選も吹っ飛ばす騒ぎで、私のところまで電話取材が来た。私はJ-POPはラジオで流れている以外は聞かないので、彼の音楽についてコメントする資格はないが、知っている範囲でいうと、彼の曲のどこがいいのかわからない。コメントしたのは「音楽的には無価値なものをマーケティングだけで売れると錯覚したんじゃないか」ということだ。 マーケティングが悪いといっているのではない。資主義の社会では音楽は商品なのだから、最大限売れるように努力するのは当たり前だ。しかし彼の場合は、メディアへの露出をコントロールしないで、過剰に消費されたのが失敗だったのではないか。音楽家の才能が続く時期は短い。松任谷由実も「荒井由実」の時代で音楽的には終わっていたが、メディアへの露出をセーブして寿命をのばしてきた。 出版界でも最近、「小室シンドローム」が目立つ。屋へ行くと勝間和代や茂木健一郎が山

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    mallion 2008/11/12
    『洗剤の売り上げは宣伝費に比例するが、本や音楽の限界効用は急速に低下するので、あまり同じようなものばかり出していると飽きられ、ある日突然、売れなくなる。』 限界効用がw
  • 朝日新聞は田母神論文を批判できるのか - 池田信夫 blog

    きょう田母神俊雄・元航空幕僚長が国会で参考人質問を受けたが、「私は間違っていない」と豪語し、反省の様子は見せなかった。けさの朝日新聞で、秦郁彦氏と保坂正康氏が彼の論文を史実と照合している(ウェブには出ていない)。おおむね私の前の記事と同じだが、彼らのふれていない点について簡単に検証してみよう。1928 年の張作霖列車爆破事件も関東軍の仕業であると長い間言われてきたが、近年ではソ連情報機関の資料が発掘され、少なくとも日軍がやったとは断定できなくなった。これは櫻井よしこ氏などからの孫引きだが、櫻井氏の話もユン・チアンの『マオ』の孫引きだから、「曾孫引き」というべきか。『マオ』が偽書に近いことは矢吹晋氏が指摘しており、その根拠となったGRU資料も信憑性はない。日中戦争の開始直前の1937年7月7日の廬溝橋事件についても、これまで日中国侵略の証みたいに言われてきた。しかし今では、東京裁判の最

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    mallion 2008/11/12
    『まず「軍が100%悪く、国民は被害者だった」という結論が決まっており、それに合わせて都合よく歴史を改竄する朝日新聞の手法は、田母神氏と同じだ。』
  • ソフトな予算制約とコミットメント装置 - 池田信夫 blog

    オバマ政権の誕生で、GMを米政府が救済する可能性が強まってきた。金融機関の救済に賛成した経済学者も、これにはほとんどが反対で、NewsweekではJeffrey Gartenが"Stop The Bail Outs Now"と書いている。しかしこの問題は、政治的には困難だ。GMを救済することは、経営者にとっても労働者にとっても政府にとっても、事後的にはプラスになるパレート改善的な政策だからである。しかしそれを許すと事前のインセンティブが歪んで、いい加減な経営をして苦しくなったら補助金をあてにする時間非整合性が生じる。 これは旧社会主義国で深刻な問題となり、コルナイはsoft budget constraint(SBC)と名づけた。特に中国では、国有企業を(経営者から賄賂を取った)共産党幹部が公金で救済する腐敗が問題となった。サンクコストの大きいときは追い貸しが事後的に合理的になるので、S

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    mallion 2008/11/12
    『Gartenもいうように救うべきなのは企業ではなく労働者だから、GMにつぎ込む金があったら失業給付や労働者再訓練にあてたほうがいい。』 どうだろう。
  • ヘリコプター・マネーという愚民政策 - 池田信夫 blog

    定額減税が、2兆円の「給付金」という珍妙な形で行なわれることに決まった。これは経済学でよく冗談でいわれる「ヘリコプター・マネー」をほとんど文字通り実行する漫画的な政策である。 あなたが市役所に行くと、1世帯4万円のクーポン券をもらえる。これが他人の金だったらうれしいだろうが、その財源はあなたの税金だ。「埋蔵金」を使うなどというのはまやかしで、そのぶん国債の償還財源が減るのだから同じことだ。つまり4万円の税金で4万円のクーポン券を買うだけなので、あなたが合理的ならバラマキ財政政策に効果はない――というのが中立命題としてよく知られている理論だ。 しかし実証的には、この理論は厳密には成り立たない。それは人々が近視眼的で、将来の課税より現在の現金の価値を高く評価するからだ。朝三暮四というやつだ。つまりバラマキ政策は、国民が猿のようにバカであればあるほど効果の大きい愚民政策なのである。 だが先

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    mallion 2008/11/01
    『日本ではクロヨンと呼ばれる捕捉率の差や(1世帯あたり世界最大の)農業補助金など無駄づかいが多く、税金が有効に使われていないという不信感が強いことが最大の問題』
  • 大恐慌の証人 - 池田信夫 blog

    アンナ・シュワルツは今年92歳、1930年代の大恐慌を目撃した数少ない経済学者だ。フリードマンと彼女の書いた888ページのは、バーナンキが「聖典」としているものだが、彼女は「今の状況は当時とは違う」という:大恐慌は、FRBが銀行の流動性不足を放置したために取り付け騒ぎを起したのが原因だったけど、今度は違うわ。流動性は十分あるし、決済機能は傷んでいない。問題は、CDOとかCDSとか訳のわからない証券がいっぱい流通して、それが売れなくなったものだから、価格が決まらなくなったのが原因よ。 「有毒」な証券を売るのは簡単よ。額面の5%でもいいから、オークションで売ればいい。でも、そんなことしたら銀行がバタバタつぶれるから、売るに売れない。だからポールソンは、資産買収から資注入に切り替えたわけよ。でも両者は全然ちがう。債務超過の銀行に資注入したら、日みたいに問題が長引くだけよ。 ベア=スタ

  • 大恐慌は再来するか - 池田信夫 blog

    今回のアメリカの金融危機を「大恐慌の再来」などという話がよくあるが、これは間違いである。トルストイ風にいえば、好況はいつも同じように幸福だが、不況はそれぞれに不幸なのだ。 ガルブレイスの(左)は先週、再発売されたが、初版は1955年。1929年の出来事を日記風につづったもので、経済学的な分析はない。これを含めて一般向けのでは、投機バブルの崩壊が大恐慌を引き起こしたといった説明が多いが、投機の失敗だけで10年以上も2桁の失業率が続くことは考えられない。これを理論的に説明したのがケインズの『一般理論』で、戦後の経済学の主流も「有効需要の不足」とか「流動性の罠」のようなケインズ的な説明だった。 この「通説」に膨大な実証データを使って挑戦したのが、Friedman-Schwartzの記念碑的な研究である(ただし通読するのは困難)。これは金融システムが崩壊していた時期にFRBが通貨供給を絞っ

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    mallion 2008/10/05
    必要とされる政府介入が200兆円とも300兆円とも言われているのが問題なのでは(今回のでは足りない) 投入しても本当にそれだけ将来の徴税ができるのかという点で疑問?
  • 霞ヶ関の2ちゃんねらー - 池田信夫blog

    書の112〜4ページに、話題を呼んだ怪文書公務員制度の総合的な改革に関する懇談会報告書への素朴な疑問」の全文が出ている。おもしろいのは、最初に出ている(スペースも最大の)論点、「政と官の関係」だ。見出しには「なぜ集中管理が必要?国会議員が情報を得られなくなり、かえって『官僚主導』になるのではないか?」と書かれ、「政官の接触の集中管理」の禁止を彼らがもっともいやがっていることがよくわかる。 著者によれば、これを書いたのはなんと当時(今年3月)の行政改革推進部事務局に総務省から出向していた次長だったという。公務員制度改革の責任者が、渡辺大臣の方針を全面的に否定する怪文書を流していたのだから恐れ入る。彼は今年の異動で省に戻ったが、この怪文書の著者であることは霞ヶ関に知れ渡っていたので、増田総務相の怒りを買って左遷されたそうだ。 民間の常識では考えられないが、霞ヶ関や永田町にはこういう

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    mallion 2008/09/30
    『日本でまともな政策論争が成り立たない原因も、霞ヶ関の2ちゃんねる体質にある。著者のように霞ヶ関を批判する側は実名なので、いろいろな誹謗中傷を浴びるが、それをつぶそうとする官僚は匿名だ。』
  • 金融の危機管理システム - 池田信夫 blog

    グリーンスパンのベストセラーのペーパーバック版が発売され、それに新たにつけられたエピローグが話題を呼んでいる。リバタリアンの彼にしては珍しく、政府がS&LのときのRTCのような清算・債権回収機関をつくって「システム的な対応」をすべきだと論じているからだ。Economist誌にも概要が紹介されているが、エピローグだけで5ドルのeBookとしてもダウンロードできる。 FTもアナリストの同様の主張を紹介し、NYタイムズでWilliam Gruverも制度改革を提案している。FRBとSECがわかれているのは、1933年にグラス=スティーガル法ができたときの遺制で、銀行と証券の区別に意味がなくなった今日では、両方を合併して緊急介入の権限をもつ規制機関をつくるべきだという。 PIMCOの小関広洋氏は、日の不良債権問題とサブプライムを比較し、前者がGDP比20〜25%という巨大なダメージと10年以

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    mallion 2008/09/18
    最小化されてもアメリカ(金融的な意味で)死亡は変わらない気がするんだけど… だいたい地価がこれで下げ止まらないだろう 
  • 流転の果て - 池田信夫 blog

    リーマン・ブラザーズが破産申請した。WSJによれば、今回の処理はポールソン財務長官の「これ以上のbailoutはない」という最後通告だそうだから、今後は買い手のない金融機関はチャプター11しかないわけで、問題解決のスピードが上がるだろう。何より注目されるのは、資産総額6000億ドル以上の巨大金融機関の破綻が、買収協議が始まってわずか数ヶ月で公になり、その法的処理まで進んだことだ。 それに比べると、書に描かれている日の金融危機では、大蔵省の最大のエネルギーが問題を隠すことに費やされ、取材陣もどこが「はじける」かを抜くのが最大の仕事だった。著者(日経)と朝日の村山記者がトップランナーだったが、村山氏のが客観報道に徹しているのに対して、書は小説仕立てでとりとめがなく、中途半端に情景描写などがはさまって冗漫だ。それから検察の動きをまったくフォローしていない。 その代わり同時代史的に書い

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    mallion 2008/09/18
    池田信夫さん、そんな認識なんだ… それとも、公には「どんどんつぶれた方がいい」としか言えないのかな。