いつぞやおすすめしたレイ・ マンクによるヴィトゲンシュタインの伝記について、再び。 ヴィトゲンシュタインは、19C末頃はオーストリアの大富豪の末子として生まれた哲学者。口笛がうまかったそうです。工学を学んでいましたが、興味は哲学に移り、ケンブリッジに留学して、ムーアやラッセルに学びました(所謂師弟関係とは随分違いますが、、、)。人生を試そうと第一次大戦に志願して従軍、戦中にまとめた『論理哲学論考』が現代哲学の一大金字塔となり、以後は哲学はもう要らないと田舎教師に転身。しかし、ケインズによってケンブリッジに招かれ、晩年の大著『哲学的探求』に連なる思索を進め、第二次大戦中ではオーストリアに残った家族の救助に奔走し、また消防団でも活躍。趣味は、探偵小説と大衆娯楽映画、、、 人生というものも、こう並べてぱっと見てしまうと奇抜さも薄れますが、この伝記は、ヴィトゲンシュタインの日記や手紙を多数引用し、