今さらなのだが、昨年12月に放送されたオタクを取り上げた番組が面白かった。 まず一点目として、ある程度生きたヲタ芸を見ることが出来たということ。つまり、オタクがテレビで取り上げられる場合、テレビ的な文法の中で、無害化された形に馴致されてしまうことも多いように思われるが、オタクの気持ち悪さとエネルギーと、という、バイアスがさほどかからないヲタ芸の姿を提供してくれているように見えたことだ。 ヲタ芸はヲタ芸を必要とするアイドルの現場でしっかりと息づいているということが感じられて非常に興味深い。ハローの現場で見たこともないような形のヲタ芸が開発され、定着していく。これは紛れもなく文化である。 二点目として、アイドルとオタクの境界線がいよいよ曖昧になっているという事態である。 アイドル桜井聖良とそのオタクの女の子を同じ視野の中に捉える時、どちらも見られる対象としての強度は持ち合わせていることを感じる