またも銃弾に殺意は認められなかった。大阪高裁で1日開かれた奈良警官発砲事件の控訴審判決。一審に続く無罪判決という結果に、死亡した高壮日さん(当時28)の母親(75)は閉廷後「腹立つだけです。2審も無罪で息子はさぞ無念だと思う。ここまで来たら最後までやりたい」と怒りに声を震わせた。 警察官が職務上の発砲で罪に問われた異例の事件。最も大きい201号法廷の前方に座った母親は、判決が言い渡されるとぼうぜんとしてうつむき、しばらくの間、顔を上げることはできなかった。 一方、昨年11月の初公判のときと同様に、法廷には姿を見せなかった被告の警部補ら2人。森岡安広裁判長が空席の証言台に向かって「控訴棄却」と淡々と主文を告げると、検察官役の指定弁護士は厳しい表情を浮かべていた。(共同) [2013年2月1日12時32分]