国会で政権が安全保障関連法案の成立を急ぐ中、街頭で若者のデモが日常の景色になりつつある。政治に無関心と言われてきた若者が、なぜ動き出したのか。記者が出会った3人に聞くと、それぞれの経験に根ざす政治への違和感が、日本の将来への危機感にまでふくらんでいた。 夢追える社会じゃない 「未来の子どもたちが何のおびえもなく学業や仕事に励めない。どこが成熟した国と言えるのか」 8月30日、主催者発表で12万人が集まった国会周辺デモ。愛知県小牧市の諸岡英実さん(21)は仲間と貸し切りバスで駆けつけ、自分のことも明かして訴えた。「経済的問題で大学に行けませんでした。今でもすごく勉強がしたい」 2年前、公立大学に不合格。舞台役者を志し、卒業後に奨学金を返すあてはなく、私学進学には踏み出せなかった。バイト代はクラシックバレエなど役者修業に消える。稼ぎたくても「人件費がないから今日は帰って」とバイト先に言われる。
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