永田町の政治を見続けて30年以上。学んだのは、美辞麗句を並べ立て、長広舌をふるう政治家ほど信用できないということだ。 国会で長々と自説を展開し、実態不明の「美しい国」を連発する安倍晋三首相はその典型。14日に発表された戦後70年談話は、じつに象徴的なものとなった。なんと歴代首相の3倍という長文。「侵略」や「お詫び」といった注目のキーワードを入れ平和主義を装ったものの、ようは“まやかし”。日本の戦争責任を曖昧にして、アジア諸国に対する今後の謝罪を事実上否定する内容だった。談話の締めくくりでは、「積極的平和主義」の推進を宣言。安全保障法案と同じで、「平和」の二文字を隠れ蓑に、戦争のできる国を目指す構えであることが明らかとなった。 長文・きれいごとの裏には…… 安倍談話の特徴は、長文であることと第三者的視点。とにかく長い。村山談話が約1,300字で原稿用紙3枚強、小泉談話が約1,130字で原稿用