アニメ!アニメ!編集部は2015年12月16日から23日の期間、2015年のアニメ作品及び視聴動向についてユーザーアンケートを実施した。1478名のかたから回答をいただいた。視聴動向についてのユーザーの回答からは、現在のアニメファンのアニメの接し方も窺われる。 アンケート結果をもとに、「アニメ視聴の方法」、そして2015年に大きな注目を集めた「動画配信」の視聴方法について2回にわけて紹介する。今回は2015年末におけるアニメの視聴方法である。 ■ 依然利用の多いテレビ視聴とテレビ録画、無料動画配信も積極利用 2015年は動画配信の利用拡大がたびたび言及されたが、アニメの視聴方法で最も利用されたのはテレビであった。特にBlu-ray、DVDレコーダーなどを利用した録画は全体の78.3%、約8割が利用している。 一方で、テレビ放送に合わせたリアルタイム視聴は42.0%にとどまっており、テレビア
日本のアニメビジネスが大きく変わり始めている。2015年はそれを感じさせる年だった。市場は2010年代以降、右肩上がりの成長を続けるが、それはアニメ業界の変化を反映したものである。 市場拡大は業界企業によるヒット作の創出や新たな事業への挑戦の努力によるものだ。同時に、アニメ制作本数の増加や関連ビジネスの広がりが牽引している。アニメ制作本数の増加は国内外のアニメに対する制作需要の増加と新規企業の参入を、関連ビジネスの広がりは収益の多様化やビジネス構造の変化を反映している。 “アニメビジネス変革期”をテーマに、アニメ!アニメ!では2015年のアニメビジネス10大ニュースを選んだ。1位は「中国」である。中国は公衆送信権(配信権)などのラセンスの販売先だけでなく、日本でのアニメ製作出資などでも急浮上している。ビッグマネーが業界を揺るがす。 2位は「動画配信」である。Netflixの日本進出とアニメ
1.中国市場の拡大/日本アニメ市場への製作参入 2015年、日本のアニメ業界に「中国」が大きなテーマとして浮上した。中国に対するトピックスは2点にある。ひとつは日本のアニメやキャラクターの輸出先としての“中国市場”である。もうひとつは、日本でのアニメ製作の出資、アニメーション制作の発注元の“出資者”としての中国だ。 日本アニメのファンが多く、巨大な中国市場の開拓は、2000年代以降日本のアニメ関連企業の大きなテーマであった。しかし中国行政によるテレビ放送や映画上映、映像ソフト・マンガ出版の認可は厳しい締め付けもあり、なかなか大きな実績が築けなかった。 この状況が大きく変わったのは、中国の動画配信事業者が正規配信のために日本アニメの公衆送信権(配信権)を獲得するようになったことである。さらにスマホアプリ化やオンラインゲーム化の権利も積極的に買い付ける。この購入金額が大きく、国内各社に大きな売
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