良い農法でイネを育てると、田んぼがホタルだらけになり、ホタルが2000匹になると、人が2000人集まり、その何人かは、「そのお米を食べたい」と述べるそうですが、最近の人が思い描く”良い仕事”とは、オンライン上に実体のないものを作り上げ、そこからどうにかして課金していくものが多く、長い間、物理的なものに触れない期間が続くと、何となく自分が宙に浮いているような気がして、心落ち着かない経験は誰にでもあるのではないでしょうか。 「バカの壁」の著者として知られ、東京大学名誉教授でもある養老孟司さんは次のように述べています。 「私は敗戦時に小学2年生だった。あの社会的な価値の転換を見てしまうと、モノに直接携わることの大切さがしみじみとわかる。モノに関わらないと、むしろ不安でしょうがない。こういう時代にモノに携わったり、ごくふつうの日常を研究している人に会うとホッとする。」 ↑直