三輪健太朗『マンガと映画 コマと時間の理論』(NTT出版 ¥4200+税)が刊行されました! 三輪君は、わが身体表象文化学専攻の俊英で、大部の修士論文を提出後、博士後期課程に進み、現在も学習院で研究をすすめております。彼の関心は一貫して「マンガと映画を比較しうるとすれば、いかにして可能なのか?」という、きわめて原理的な問題にあります。 その修士論文は僕をはじめ、中条省平教授など、ほかの身体表象専任の方々にも高く評価され、「ぜひ単行本化すべきだ」という話になりました。それから2年、かなりの書き直しをへて、460ページを越える歯ごたえのある本となりました。学生さんには、この値段は少々歯ごたえがありすぎるかもしれませんが、それだけの価値はあります。 これまで日本のマンガ論では、しばしば「手塚治虫が映画的な手法を導入し、戦後のストーリーマンガが始まった」とする歴史観で語られてきました。こうした言説