ドイツ政府は10月26日、ドイツ北部ハンブルク港のコンテナ・ターミナル・トラーオルト(CTT)に対する、中遠海運港口(CSPL)による戦略的投資を一部制限する閣議決定を行った(注1)。「国の秩序と安全保障への脅威」を回避するため、両社間で合意していたCSPLによるCTTへの35%の出資比率を25%未満に制限した。この制限により、CSPLによる役員の派遣や戦略的事業の決定などに関する拒否権を行使できないようにする。 CTTは、ハンブルク港の港湾物流事業を統括するハンブルガー・ハーフェン・ウント・ロジスティク(HHLA)の100%子会社で、トラーオルト埠頭(ふとう)のコンテナ事業を運営する。CSPLは中国国営の海運大手、中国遠洋海運集団(COSCO)の子会社で、港湾物流事業を担う。 ハンブルク港は海上コンテナ取扱量で欧州3位であり、同港における2021年の国別コンテナ取扱量では中国が256万T