ロシア軍が制圧したウクライナのチェルノブイリ原子力発電所。通信の途絶や電力供給の停止といったトラブルが相次いで報じられ、世界がその動静を、固唾をのんで見守っている。 これまでの経緯を振り返っておこう。ウクライナの首都キエフから北に約100km、ベラルーシとの国境に程近い場所にあるチェルノブイリ原発を、ロシア軍が制圧したのは、侵攻を開始した2022年2月24日のことだった。3月9日には送電線の損傷による停電が発生。13日には一旦回復したものの、翌14日には再び電力供給が停止して現在に至る。 巨大なアーチ状のカバーに覆われたチェルノブイリ原発。2017年撮影(写真:European Bank for Reconstruction and Development) ソ連時代の1986年に史上最悪の事故を起こしたチェルノブイリ原発では、爆発で4号炉の建屋が吹き飛んだ。事故後、放射性物質を封じ込める
![ウクライナ危機で注目のチェルノブイリ原発、史上最大のカバーはこう組み立てた](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4eada71d53122161003020d2b6cd6101f0e6b351/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00154%2F01413%2Ftopm.jpg%3F20220512)