ミャンマー国軍の誤算 2月1日にミャンマーで軍事クーデターが勃発してから1ヵ月、事態は悪化の一途を辿っている。2月28日の全国規模のデモでは、多数の死傷者が出た。 これまで3週にわたって、ミャンマー情勢について論じてきた。1回目は、アウン・サン・スー・チー女史がどんな人物なのか、会った印象を含めて述べた。2回目は、ミャンマーだけでなくASEAN10ヵ国が、それぞれ強権化している現状を伝えた。先週の3回目は、日本在住の若いミャンマー人たちの訴えを伝えた。4回目となる今週は、主にミャンマーを巡る国際情勢について述べたい。 そもそも、私がなぜこれほどしつこく、ミャンマー情勢を論じるかと言えば、地政学的に重要な要衝にあるからだ。 ミャンマーは中国とインドの間の要衝であり、東アジアと西アジアの間に位置する要衝でもある。そして台湾と並び、米中2大国の利権が衝突する要衝なのだ。日本も昔からそのことを理解