産業技術総合研究所がペロブスカイト太陽電池の開発を進めている。ペロブスカイト太陽電池は薄く軽く、建物壁面や自動車など、従来型は設置困難な場所で発電できる。再生可能エネルギー比率を高める有力候補になる。産総研は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業において自動作製システムを構築した。試作効率が10倍になり、開発が加速する。 「条件が数万から数百万はある。人手ではとてもではないが探索しきれない」と産総研の村上拓郎研究チーム長は自動作製システムの意義を強調する。ペロブスカイト太陽電池は光を受け取るペロブスカイト層の上下に電子を運ぶ電子輸送層と正孔を運ぶ正孔輸送層を重ねて電極で挟んだシンプルな構造が特徴だ。ペロブスカイト層では光のエネルギーによって電子と正孔が生じ、それぞれを電極に流し分けることで電流が発生する。 構造は単純だが材料の組み合わせは膨大に存在する。太陽電池は長く使い続ける
