1999年6月、日産自動車のCOO(最高執行責任者)に就任したカルロス・ゴーン氏は、長年にわたり日産が垂れ流してきた赤字を止めるために、猛烈なスピードで改革に動き出した。恐れおののく社内の関係者や系列の部品メーカーに容赦なく「変わる」ことを要求。変革チームを結成し、工場閉鎖や人員削減などのリストラを含む「破壊」を本格化させた。日経ビジネスから発刊した書籍「カリスマ失墜 ゴーン帝国の20年」と連動するオンラインゼミナールの2回目では、日産入りしたゴーン氏の下で始まったケイレツ解体の動きに迫る。 1999年10月19日午前10時。東京・港区、新高輪プリンスホテル「飛天の間」に、日産自動車COO(最高執行責任者)のカルロス・ゴーン氏が姿を現した。 約1000人のビジネスパーソンでびっしり埋め尽くされた客席から拍手が起こる。だが、会場全体に響き渡るほどの大きさにはならず、拍手はすぐにやんだ。むしろ
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