名古屋大学で「針のない注射器」の研究が進んでいる。開発したのは航空宇宙工学の研究者で、ロケットの打ち上げ時などに発生する衝撃波を応用。痛み
米国はロシアのウクライナ侵攻に伴う経済制裁に、宇宙・航空分野の追加を決めた。有人輸送や国際宇宙ステーション(ISS)の軌道維持といったロシアに頼ってきた技術が利用できなくなるリスクが浮上。国際的な宇宙開発の停滞になりかねない状況だ。半面、ロシアの締め出しで、競争が激化する宇宙輸送分野などでは、民間宇宙企業にビジネスチャンスが開ける可能性が見えてきた。ロシアへの制裁が長期化すれば、宇宙開発の勢力図に変化をもたらしそうだ。(飯田真美子) 【ISSの軌道維持技術不可欠】各国の技術底上げ 西側諸国がロシアへの経済制裁を強める中で、米バイデン政権は追加制裁に「宇宙計画を含めた航空宇宙産業を衰退させる」との文言を加えた。これに対し、ロシアの宇宙開発を一手に担う国営宇宙企業ロスコスモスのドミトリー・ロゴージン長官は「ISSの軌道修正やスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回避はロシアの技術で成り立っている。ロシア
<月面での探査活動に用いるため、NASAは今後10年内に小型の原子炉を月に設置する> 宇宙探査で用いられる電源のひとつに、太陽光発電がある。しかし月面においては、必ずしも最適なエネルギー源とはいえないようだ。月の夜は地球時間で14日間ほど続き、このとき発電は停止してしまう。探査活動の拡大に伴い、太陽光に頼らず常時稼働できる電源の確保が急務となっている。 そこで白羽の矢が立ったのが、原子力エネルギーだ。米エネルギー省管轄の原子力研究機関である国立アイダホ研究所(INL)は2021年11月19日、月面における原子力発電システムの設計パートナーをNASAと共同で公募するとの声明を発表した。INLは声明のなかで、NASAの月面ミッションに用いるべく、「太陽に依存しない、高耐久かつ大容量の電源」を2030年までに建設したいと述べている。 計画中のシステムは核分裂地表発電システム(FSP)と呼ばれ、一
宇宙のお掃除サービスはいつ実現する? デブリ除去衛星開発の最前線を追う:宇宙開発(1/4 ページ) 民間企業による宇宙利用が活発化する中で深刻な問題となっているのが、宇宙ごみ(デブリ)の脅威だ。本稿では、デブリをこれ以上増やさない対策の1つである「デブリを除去する技術」に焦点を当てるとともに、存在感を発揮している日本企業の取り組みを紹介する。 米国のSpaceXが衛星1万機以上による宇宙インターネットサービス「Starlink」の構築を進めるなど、民間企業による宇宙利用が活発化している。しかし、将来も継続的に宇宙を利用していく上で、深刻な問題となっているのが宇宙ごみ(スペースデブリ、以下デブリ)の脅威だ。現在の状況や対策がどうなっているのか、以下に見ていこう。 SFではなく現実にある脅威 デブリは、これまでの人類の宇宙活動により、軌道上に残ってしまった不要な人工物のことである。大きなものに
3月12日、トヨタ自動車の寺師茂樹副社長と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一理事/宇宙飛行士は、「有人月面探査車(ローバー)」の共同開発について発表した。 トヨタを先駆けとして、今後は多様な民間企業を呼び込み、「オールジャパン」で月探査を行うという。 長らく計画縮小が続いてきた日本の月探査が、トヨタというパートナーを得て一気に動き出した。有人宇宙探査、宇宙ステーションと輸送機開発も関係し、いくつものプロジェクトの見通しが実感できるようになった。 プロジェクトにあたって2機のローバーを同時に開発し、10年後の2029年に打ち上げる目標だ。さらに、2030年以降に宇宙飛行士による月面5箇所の探査を実施する。既報で紹介したJAXAによる「有人月面探査」の予圧ローバにほぼ相当するものとなった。
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