菅原 いわゆる「ネオコン」と呼ばれる一極覇権主義者と反ネオコンの「現実主義派」のホワイトハウス内のパワーゲームに目を奪われがちですが、「911事件」以降、戦争の形態が変わったという事実認識も重要です。 本来、一国の軍隊というものは、国家と国家が戦争をするという前提で組織編制がなされ、装備も整えられ、そのための訓練を行ってきました。ところが、イラクやアフガニスタンでの戦争、正確に言うと「主要な戦闘」が終わったと判断された後の治安維持や復興段階で米軍が直面している戦いというのは、そうした国家間同士の戦争とは全く異質のものです。 今までの戦争のように軍服を着たり戦車に乗っている「敵」がいるわけではない。敵の姿が見えず、誰が敵なのか分からない。敵を倒したいのだけれど、敵の姿が見えないうちに、突然路肩爆弾が爆発して殺されてしまう、突然一般乗用車が突っ込んできて自爆テロを受ける、テロリストの隠れ家があ