先週は日欧EPA(経済連携協定)の署名、TPP11(環太平洋経済連携協定)の首席交渉官会合があった。RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の交渉会議は今週も行われている。一連の「メガFTA(自由貿易協定)」を巡る動きは、これからの国際秩序を大きく左右する。 大事なのは、これらを個々に論ずるだけでなく、相互の関連性、そして全体としての大きな潮流を見る視点だ。木を見て森を見ずにならないようにしなければならない。 日欧EPAとTPP11。これらを「米国の保護主義への牽制」とメディアは報道する。確かにその通りだが、そういう一般論だけでは表面的すぎる。米国との関係ではもっと突っ込んでみるべきだろう。つまり日本と欧州が進める今後の対米交渉戦略にどう具体的に影響するかを見るべきだ。また中国に対する意味合いも忘れてはならない。 日欧EPAから「自動車関税ゼロの有志国協定」へ 日欧EPAのポイントの一つは、