日本産業パートナーズ(JIP)陣営による東芝のTOB(株式公開買い付け)が成立した。年内に非上場化され、上場企業としての74年の歴史に幕を閉じる。株主が一本化されることで、長年続いた経営の混乱に終止符を打つことが期待されるものの、収益力改善に向けたその先の成長戦略の青写真は不透明なままだ。東芝は生まれ変わることができるのか。(編集委員・小川淳) 「多くの株主の皆さまに当社の考え方をご理解いただけたことに深く感謝する。当社グループは新しい株主の下、新たな未来に向かって大きな一歩を踏み出す」―。東芝の島田太郎社長は21日、JIP陣営によるTOB成立を受け、コメントを公表した。 総額2兆円の買収にはJIP陣営に対して国内金融機関の融資のほか、ロームが3000億円、オリックスが2000億円、日本特殊陶業が500億円をそれぞれ出資するなど、東芝の再生に向けて幅広い支援が広がる。21日には中部電力が1