品質不正防止の第6条は「人事異動をポジティブに捉えよ」です。 不正防止の観点では、人事ローテーションには次の3つの目的があります。 [1]取引先との癒着を防ぐ [2]不正を引き継がせない [3]しがらみのない外部の人間による監視を利かせる このうち[2]と[3]については、担当者が替わるだけでは不正を防止しにくいという課題があります。なぜなら人事ローテーションで異動してきた人が着任先で不正に気付いても、発言力が弱いと不正の引き継ぎを拒否できないかもしれないからです。 従って、人事ローテーションが[2]と[3]の目的につながるかは、発言力のある技術者がローテーションの対象になっているかが重要なポイントです(図1)。この観点で今回は人事ローテーションの量(人数)ではなく質の問題を考えます。 スズキの再発防止策に学ぶ 人事異動が少ない職場で品質不正が起きるのは珍しいことではありません。例えば、2