先週末の日経「経済教室」で藻谷浩介氏(日本政策投資銀行参事役)が、人口減の影響を論じている。藻谷氏と面識はないが、以前不動産動向について調べていたとき、ネット上で偶然に講演録を拝見する機会があり、鋭い洞察力に感銘を受けたことがあった。ただ、そのときは藻谷氏の背景をよく知らず、この経済教室を読んで改めて思い出した次第だった。 地価動向は金融政策上も非常に重要なファクターだが、あくまでもマクロ的な観点で捉えられるもので、現状はバブルになるかならないかが論点だ。日銀の中長期的なリスク点検(政策運営の枠組みにおける第二の柱)では、低金利を続ける→実質マイナス金利の上昇→バブルのリスク、という(アップサイド)リスクシナリオの一つとなっており、これについては本当にそうなのか、と個人的には疑問を抱いていた。マクロのリスクシナリオとしてあり得なくはないものの、例えば人口問題の影響などを考えると、大都市圏の