隈研吾「根津美術館」(2009年) 日本・東洋の古美術を収蔵・展示する根津美術館。和風を思わせる渋い外観。 屋根・軒 正門からのアプローチ。軒下の空間。 アプローチの壁面には竹が並ぶ。 庭園より本館を望む。20,000坪の庭園側には瓦屋根による表情をみせる。 3年半の閉館期間を経た東京・青山の根津美術館が、10月7日に新たな装いとなって開館した。 この新・根津美術館の建築設計を行ったのは隈研吾(隈研吾建築都市設計事務所)。90年代以降、日本の各地で設計活動を行い、いまや世界の各地に活動範囲を広げ、日本の建築界を牽引している建築家である。 隈は90年代、建築のオブジェクト性を否定し(=反オブジェクト)、そして「負ける」というレトリックを用いて活動を展開してきた。威圧的で、自己中心的で、ものものしい建築の否定。それは例えば「亀老山展望台」で建築を地中に消し去り、「石の美術館」では石積みの壁をル