西側諸国の対抗措置やウクライナの反撃にもかかわらず、ロシアの侵攻が止まることはない。開始からもうすぐ4ヵ月が経とうとしているが、この戦いはさらに長期化するとも予想されている。 交渉ではまったく話にならず、ロシア国民の内乱も期待できない──そんな状況を見て、過激な発言で知られる哲学者スラヴォイ・ジジェクが、またもや力強い論稿を発表した。 この戦争をヨーロッパとロシアの形而上学的な対立と位置づけ、西側はリベラルな価値観の普遍性を貫き通せと訴える。 ロシアの基準に付き合うな ここ数週間、西側諸国の人々は「プーチンは何を考えているのだろう?」という問題に取り憑かれてきた。西側の専門家たちは悩んでいる。プーチン周辺の人々は、すべての真実を彼に伝えないのか? 彼は病気か、頭がおかしくなっているのか? 現在の紛争を総力戦に拡大するより他に自身の面目を保つ手がないと思い込んでしまうほど、我々はプーチンを追