SNS時代の美術館マーケティングはどうあるべきか? 森美術館広報・洞田貫晋一朗に聞く2019年6月、興味深い書籍が刊行された。『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』(翔泳社)は、SNS全盛の現代における美術館のデジタルマーケティング戦略を説くものだ。同書を執筆した森美術館広報・プロモーション担当の洞田貫晋一朗に、本書執筆の背景や、これからの美術館SNS戦略のあるべき姿について話を聞いた。 文=橋爪勇介 森美術館内観(センターアトリウム) 画像提供=森美術館 交通広告には頼らない 森美術館13.5万人、国立新美術館5万人、東京国立博物館1.6万人。これは入場者数ではない。各館のInstagramフォロワーの数だ。現在、森美術館が日本でもっとも多くのInstagramフォロワーを有する美術館であることはご存知だろうか。 2010年にローンチされた写真共有サービス・Instagr