北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さんの両親が、ジャーナリストの田原総一朗氏からテレビ番組で「外務省も生きていないことは分かっている」と発言されて精神的苦痛を受けたとして起こした訴訟で、田原氏が発言の根拠とする外務省幹部への取材テープの提出を神戸地裁が命じる決定をしたことがわかった。田原氏側は「承服しがたい」として大阪高裁に即時抗告する方針。 裁判所が取材源の秘匿にかかわる取材テープの提出を求めるのは極めて異例だ。 訴状によると、田原氏は2009年4月、テレビ朝日の番組で有本さんと横田めぐみさんに関し「外務省も生きていないことは分かっている」と発言。有本さんの父の明弘さん(82)と母の嘉代子さん(84)は同年7月、1千万円の慰謝料の支払いを求めて提訴した。 田原氏側は「発言は取材に裏付けられたものだ」とし、08年11月の取材のやり取りを録音したテープの一部を文章化した書面を証拠として提