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ブックマーク / dictionary.sanseido-publ.co.jp (260)

  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第10回・最終回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 常用平易ではなく永年使用 前回(第9回)、名の変更許可では「永年使用」を実情として申立てる、と書きました。問題の漢字の「常用平易」ではなく、「永年使用」を申立てるのです。というのも、子の名ではなく、人の名なのですから、戸籍法第50条ではなく第107条の2が適用されるのです。 第百七条の二 この「正当な事由」の1つとして、「永年使用」が認められているのです(東京家庭裁判所昭和40年(家)第7435号・宮崎家庭裁判所昭和46年(家)第268号・名古屋高等裁判所昭和52年(ラ

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第10回・最終回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第9回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 当の子供の名を使い続ける 前々回(第7回)、たとえ抗告審で敗けたとしても、当の子供の名を戸籍に載せるチャンスは残されています、と書きました。では、どうすればいいのでしょう。簡単なことです。第1回でも書いたとおり、当の子供の名を使い続けるのです。子供の名にその漢字を使いたいのなら、親だけでなく、まわりの人たちにも当の名を認めてもらう必要があるのです。 まずは、健康保険証の被扶養者欄。当の子供の名を書いてもらえるよう、頑張ってみましょう。うまくいったら、コピーを取っ

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第9回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第8回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 許可抗告と執行停止 前回(第7回)、市町村長が許可抗告を申立てた場合でも、たいてい高等裁判所は確定証明書を交付してくれる、と書きました。これは、民事訴訟法第334条の 第三百三十四条 にもとづくものです。つまり、家庭裁判所から高等裁判所への即時抗告は、子供の当の名を戸籍に記載する手続を「執行停止」する(第5回参照)のですが、高等裁判所から最高裁判所への許可抗告は、その手続を「執行停止」する効力はありません。したがって、たいてい高等裁判所は確定証明書を交付してくれる、ので

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第8回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第39回 「ふすま」と「アオザイ」の共通点――「襖」 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    「襖」という字の旁は「奥」か「奧」か、字体に揺れがある。画面では見えにくいかと思う。携帯電話の画面上でも、「奥」と「奧」との区別が全く付かない字形となるものがあった。中身が「釆(ノ米)」(ハン)か「米」か、という違いである(*1)。この字体の細部での揺れ以上に、「襖」の字義の揺れは漢字圏において大きかった。 日では、この字を、木と紙でできた日家屋の伝統的な建具の「ふすま」として用いてきた。一方、ベトナムの最大民族である京(キン)族は、その民族衣装である「アオザイ」の「アオ」の表記に、この字を用いていた。このいかにも日らしい和室の建具と、ベトナム的な衣装とに、同じ漢字が用いられていたことには、どのような理由があったのであろうか。 ベトナムでは、丈の長い上着である「アオザイ」が伝統ある衣装として有名だ。清朝の満州族が着ていたチャイナドレス(旗袍 qi2pao2 チーパオ)から、南国の暑さ

    第39回 「ふすま」と「アオザイ」の共通点――「襖」 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第7回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 家庭裁判所への差し戻しとなった場合 高等裁判所が原審判を取り消した場合、家庭裁判所に差し戻すのが原則です。この場合は、連載の第5回に戻って、またやりなおし、ということになります。ただ、市町村長の処分に対する不服申立審判に対する抗告審では、差し戻しはめったにおこなわれず、高等裁判所が新たな決定をくだす「自判」が多いようです。 抗告審に勝った場合 あなたが相手方で高等裁判所の決定が抗告棄却だった場合、あるいは、あなたが抗告人で高等裁判所の決定が原審判取り消し自判だった場合、あ

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第7回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第6回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 市町村長が即時抗告した場合 家庭裁判所の審判で申立てが認容されたにもかかわらず、市町村長が即時抗告した場合、事件は高等裁判所に移ります。ですが、即時抗告申立書は家庭裁判所に提出された後、事件記録もろとも高等裁判所に送付されるので、まずは家庭裁判所に出向いて、あなたの事件記録(市町村長の即時抗告申立書を含む)の閲覧・コピーを願い出てみましょう。また、抗告審を担当する高等裁判所の窓口と電話番号は、必ず確認しておいて下さい。 事件記録が、すでに高等裁判所に送付されてしまっていた

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第6回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第5回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 家庭裁判所での審判 あなたから家事審判申立書を受け取ったあと、家庭裁判所は、対する市町村長に意見書を求めます。 ただし、市町村長の意見書と言っても、現実には、市長みずからが意見書を書くわけじゃありません。市役所側は、管区の法務局を経由して、戸籍行政のトップである法務省にお伺いを立てます。あなたの申立書は、法務省令(戸籍法施行規則)を差し置いて、法律(戸籍法)で司法判断することを裁判所に求めているわけですから、その法務省令に関して、市役所側が法務省にお伺いを立てるのは、ごく

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第5回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編(第4回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 家事審判に口頭弁論はない 前回(第3回)、大事なことを一点、書き忘れていました。家庭裁判所の家事審判では、通常、口頭弁論はおこなわれません。つまり、最初に提出する家事審判申立書が全てなのです。裁判官は、あなたの申立書と、それに対する市町村長の意見書と、その2つの書面だけで審判をくだす、と言っても過言ではありません。あるいは裁判官は、あなたを裁判所に呼び出して質問(審尋)してくれる場合もありますが、それを期待してはいけない、ということです。家事審判申立書には、必要な事柄を全

    人名用漢字の新字旧字・特別編(第4回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第3回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    つまり、法律である戸籍法が「常用平易」という大枠を決めて、法務省令の戸籍法施行規則が、それを常用漢字と「別表第二に掲げる漢字」(人名用漢字)に制限している、という二段構えになっています。 しかも、この二段構えには、実は隙間があります。「常用平易」であるにもかかわらず、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字、というのが存在し得るからです。言い換えると、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字であっても、戸籍法に沿って「常用平易」であると認められれば、子供の名づけに使ってよい、ということになるのです。ただし、そういう漢字を子供の名づけに認めてもらうためには、行政の場である市役所(区役所・町役場・村役場)ではなく、司法の場である裁判所の判断が必要なのです。では、どこの裁判所に行けばいいのでしょう。 家庭裁判所に不服を申立てる 戸籍に関する事件は、家庭裁判所の家事審判にあたります。地域(市役所の住所地)を管

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第3回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第2回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 過去の判例を集める 前回(第1回)書いたのですが、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を含む出生届は、裁判所の命令がないかぎり受理できません。逆に言うと、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を含む出生届であっても、裁判所の命令があれば、市役所(区役所・町役場・村役場)は受理せざるを得ない、ということです。では、どうすれば、裁判所にそういう命令を出してもらえるのでしょう。 実は、裁判所というところは、基的に前例主義です。つまり、過去の判例に、かなりの部分しばられている、という

    人名用漢字の新字旧字・特別編 (第2回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第38回 アメリカを加えた「○」「×」のまとめ | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    そこでアメリカの方にも、うかがってみた。少し前のことだそうだが、アメリカでは採点記号はそれほど標準化されていなかったという。正解は「チェックマーク」のような印で、「check, checkmark, tick」などと呼ぶ。なお、チェックマークのような形態をもつ記号そのものは、中国や日でも「雁(かりがね)点」(レ点の元)として現れてはいた。 不正解は「×」と書くと、その形がローマ字の「x」に似るため、だいたい「eks」と発音し(crossとも)、また、「/」と書くと「slash, slashmark」というと思うとのこと。点数がないために「0」と書けば「zero」というそうだ。他のアメリカの方などは、間違った部分が「○」で囲まれる、ともいう。「×」は、宝物が隠してある目的地などを示すこともあるとのこと。なお、『新明解国語辞典』第6版には、アメリカでは、否定や伏せ字などの意味に「○」を用い、

    第38回 アメリカを加えた「○」「×」のまとめ | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字・特別編 (第1回) | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    人名用漢字の新字旧字の「曽」や「祷」の回を読んだ方々から、常用漢字でも人名用漢字でもない漢字を子供に名づけたいのだが、どうしたらいいのか、という相談を受けました。筆者個人としては、それはあまりオススメできず、やはり常用漢字と人名用漢字の範囲で出生届を書いてほしいのです。ですが、親には親の事情というものがあるのでしょう。そこで、それがどれだけ大変なことかを知っていただくためにも、あえて逆説的に、「人名用漢字以外の漢字を子供の名づけに使う方法」を、全10回連載で書き記すことにいたします。 出生届を不受理にしてもらう 子供の名が決まったら、まずは、市役所(あるいは区役所・町役場・村役場)に出生届を提出しましょう。子供の名に常用漢字でも人名用漢字でもない漢字が含まれていれば、その出生届は受理されないはずです。でも、出生届が受理されなかったからといって、窓口の人をどやしつけたり、胸ぐらをつかんだりし

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  • 第35回 「祷」と「禱」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    ※編集部注:公開当初、旧字の「禱」は環境によっては「ネへんに壽」の字体で示されるかたちで表示してありましたので、フォントを指定するように変更しました。以下の文中で意図した旧字の「禱」は「示へんに壽」で、下の画像で示す文字です。(2009年5月19日) 旧字の「禱」(示へんに壽)は、平成16年9月27日の戸籍法施行規則改正で、人名用漢字になりました。新字の「祷」(ネへんに寿)は、つい1週間前、平成21年4月30日の戸籍法施行規則改正で、人名用漢字になりました。つまり現在では、「祷」も「禱」も出生届に書いてOK。でも、新字の「祷」が人名用漢字になるためには、高等裁判所による決定が必要だったのです。 法制審議会のもと平成16年3月26日に発足した人名用漢字部会は、JIS X 0213 (平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国

  • 第37回 「△」のない中国とベトナム | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    中国では現在、試験回答の正解には「」とチェックマークを付す。中国ではローマ字の「v」の字のように左右の線の上の高さは同じくらいともいう。ただし、博士論文の審査の時に、合格者に書かれるマークは「○」で、この丸を付けることを通常「画圏」(hua4 quan1 ホア・チュエン)という(書類の名前欄に、自分がその書類を見終えたということを記すためにも使われる)。中には「」を書いて「○を付けた」と表現することもあるそうだ。 反対に、不正解には「×」を記す。中国では、古くから「凶」という漢字に「×」という表象を含ませたり(前回参照)、「乂」(ガイ)という形態で、草を「刈」る意を表す字などがある。後者は鋏(ハサミ)の象形との説もある。 そして、半分くらい正解、つまり日でいう三角には、「」の右に「ヽ」を交差させた独特な記号である「」を記す。 それぞれの記号には、韓国と違って名前でよく呼ばれる。「」は「対

    第37回 「△」のない中国とベトナム | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 49 ドイツ語の「未来」 | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 重藤 実) | 三省堂 ことばのコラム

    ドイツ語に「未来」はあるか、ということを考えてみたい。とは言っても、ドイツ語の将来に悲観しているわけではなく、時制の一つ「未来形」の話である。 日におけるドイツ語学習では、すでに英語学習の経験があることを前提としているため、できるだけ英語文法と同じ用語を使うようにしている。動詞の時制に関しても、進行形はドイツ語にはないが、それ以外は英語と同じ用語を使い、以下の6時制と説明するのが普通だろう(未来完了は使用頻度が低いので、初級文法では省略される場合もある)。 現在 現在完了 過去 過去完了 未来 未来完了 しかし時制の用法は、ドイツ語英語とは異なる点がある。未来のことを表現する場合、英語では原則的に未来形を使うが、ドイツ語では必ずしもその必要はない。また現在の事についての推量を表現する場合にも未来形が用いられる。以下は「クラウン独和辞典」第4版からの例である。 Sie kommt mor

    49 ドイツ語の「未来」 | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 重藤 実) | 三省堂 ことばのコラム
  • 人名用漢字の新字旧字:「歩」と「步」

    新字の「歩」は常用漢字なので、子供の名づけに使うことができます。旧字の「步」は人名用漢字なので、やはり、子供の名づけに使うことができます。つまり、新字の「歩」も旧字の「步」も、どちらも出生届に書いてOK。でも、新字の方が旧字より画数が多いなんて、めずらしいですね。 昭和21年11月16日に内閣告示された当用漢字表には、旧字の「步」が収録されていました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢字表の字体は、まだ変更される可能性があったのです。字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。教科書に用いる活字字体を整理すると同時に、一般社会で用いられる活字字体をも整理しようともくろんだのです。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審

    人名用漢字の新字旧字:「歩」と「步」
  • 第36回 韓国には「×」がない? | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    韓国では、試験などの採点に用いられる記号としては、「○」「△」「/」が一般的に多いそうだ。「△」の代わりに部分点の点数のみを書くこともあり、「△」や「/」の横に点数を並べて記す先生もいるという。このような数字と併記するたぐいの方法は、日でも見受けられる。不正解には「/」の代わりに、日と同じく「×」を使う先生もいるという。 ただし、一部の辞書に載っている、丸を指す「トングラミ(ピョ) donggeurami(pyo)(まる標:印)」、バツ(罰)を指す「カウイ(ピョ)・カセ(ピョ) gaui(pyo)・gasae(pyo)(はさみ標:印)」などの名称は、ふつう使われず、試験の解答についても、「合っている」「合っていない」などと動詞などを用いて句で言い表すとのこと。「△」は「semo」(セモ)と、三角を意味する固有語で呼ぶが、「/」は鋏の形でもないので上記のものはもちろんだが、「スラッシュ」

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  • 47 耳の文化と目の文化(16)-視覚的な特性(9) | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 新田 春夫) | 三省堂 ことばのコラム

    主として形容詞+名詞の句の形式が一般的な概念を表しているのではなく、熟語的にある特定のもの、ひとつの固有名詞的概念を指している場合にはしばしば形容詞は名詞とともに大文字で表記される。 das schwarze/Schwarze Brettは「黒い板」という一般的な意味ではなく、「黒板、掲示板」という学校などにある特定の設備を指している。 このような表記は一般的な意味の表現と区別する必要から術語や専門語でよく使われる:der weiße/Weiße Tod「凍死」、die erste/Erste Hilfe「応急処置」、die gelbe/Gelbe Karte「(サッカーなどの)イエローカード」、der schnelle/Schnelle Brüter「高速増殖炉」、das schwarze/Schwarze Loch「ブラックホール」。 地名などは命名の動機よりも固有名詞として全体が意識

    47 耳の文化と目の文化(16)-視覚的な特性(9) | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 新田 春夫) | 三省堂 ことばのコラム
  • 46 耳の文化と目の文化(15)-視覚的な特性(8) | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 新田 春夫) | 三省堂 ことばのコラム

    ある単語が名詞であるか否かという問題とは別に熟語における構成要素の単語が名詞であるか否かという問題がある。熟語は複数の単語から成り立っている句であるが全体としてひとつの意味をもっており、その構成要素の個々の単語はもとの品詞や意味が保持されている場合からそれらがもはや意識されない場合までいろいろな段階がある。 heute Morgen「今朝に」、letzten Endes「結局は」は全体として副詞句であるが、Morgen, Endは副詞的に使われた名詞という解釈で大文字で書かれる。 teilnehmen「参加する」、stattfinden「行われる」などのteil, stattなどはほんらい「部分」、「場所」を意味する名詞であり、nehmen, findenの目的語だったものだが、1語の分離動詞として認識されているので、その中の名詞的要素は小文字で書かれる。それに対し、Rad fahren「

    46 耳の文化と目の文化(15)-視覚的な特性(8) | クラウン独和辞典 ―編集こぼれ話―(『クラウン独和辞典第4版』編修委員 新田 春夫) | 三省堂 ことばのコラム
  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 人名用漢字の新字旧字:「進」と「進」

    2009年 4月 9日 木曜日 筆者: 安岡 孝一 「進」と「進」 新字の「進」(1点しんにゅう)は常用漢字なので、子供の名づけに使うことができます。旧字の「進」(2点しんにゅう)は、昭和56年9月30日までは子供の名づけに使えたのですが、翌10月1日以降は使えなくなりました。「遡」と「遡」の場合とは、かなり違いますね。どうしてこんなことになってしまったのでしょう。 昭和17年6月17日に国語審議会が答申した標準漢字表では、旧字の「進」が収録されていました。昭和21年11月5日に国語審議会が答申した当用漢字表も、手書きの楷書体で2点しんにゅうという形で、一応、旧字の「進」を収録していました。昭和21年11月16日に内閣告示された当用漢字表でも、やはり旧字の「進」が収録されていました。したがって、昭和23年1月1日の戸籍法改正時点では、旧字の「進」が当用漢字であり、出生届に書いてOKなのは旧