約2年半前に兵庫県内で初めて確認された国の特別天然記念物ニホンカモシカについて「その後を知りたい」との要望が神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた。記者は猪名川町で撮影に成功したが、出合えたのは一度きり。そこで県などに問い合わせると、既に死んでしまったものの、死骸を調べた県森林動物研究センター(丹波市)に聞くと、出没にはある理由が考えられるらしい。(斎藤雅志) 2021年12月、住民の目撃情報が相次ぎ、町教育委員会が1頭を確認した。当時は雄か雌かも分からなかった。翌22年2月に記者は住民情報をたどって捜し、山裾で草や木の葉を食べている姿を撮影した。 同センターによると、死骸は23年2月、集落に近い山あいで見つかった。解剖すると、鼻先-尻の長さは97センチで、角に刻まれる年輪から19歳と推定された。3歳で成獣となるため「長寿」といえるが、発見時の体重は約19キロしかなく、痩せて衰