滋賀県は2日、琵琶湖の上層と下層の水が混ざり合い、酸素が行き渡る「全層循環」が3年ぶりに確認されたと発表した。「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれるが、暖冬の影響でここ2年は観測されず、生態系や水質への影響が懸念されていた。三日月大造知事は同日の記者会見で「ひとまずほっとした。引き続き影響を注視していきたい」と話した。 全層循環は春から秋にかけて温められ、上層にとどまっていた水が、冬に冷やされることで下層との温度差がなくなり、混ざり合う現象。酸素濃度の低下した下層に酸素が行き渡ることによって生態系が維持される。例年2月上旬から中旬に確認されるが、暖冬の影響で昭和54年の観測開始以降、平成31年に初めて確認されなかったのに続き、令和2年の冬も観測されていなかった。 湖底は深刻な酸素不足に陥り、昨年9月下旬には水深90メートルの湖底7地点中6地点で生物の生存が難しくなる1リットルあたり2ミリグラムを下