世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するファンドマネージャー、レイ・ダリオ氏が引き続き世界経済の歴史について書き続けている。 新型コロナウィルスの世界的流行とそれに伴う激しい景気後退に対抗するために日本や米国の政府はこぞって紙幣を印刷し国民に配っている。ダリオ氏はそれによって国の通貨が暴落する可能性を心配しているのである。 しかし以前からの読者には周知の通り、ドルは過去に何度も暴落しており、長期的に見れば今も暴落し続けている。今回はドル暴落相場の1つであるニクソンショックについてダリオ氏が経済的に解説している部分を取り上げたい。 戦後の世界経済とドル 1945年に日本の降伏によって第2時世界大戦が終わり、米国経済は一人勝ちの状態だった。戦勝国でもイギリスは実質的な破綻状態であり、敗戦国である日本とドイツの経済は壊滅的な状態にあった。本土への攻撃を免れたアメリカだけが経済的に
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