母親が語るように、加害少年を何年か少年刑務所に入れ、資格を取らせたり、出所後のことについてミーティングをしたりしたところで、周囲が納得できるほどまで立ち直れるかといわれれば、非常に難しいだろう。 「自立」はさらに難しい。実際に、この加害少年とて、出所したところで最終的な行先は父親のいる家しかなく、同じようなことが引き起こされることも考えられる。 だが、現実は、こうした加害少年たちは「刑期を終えた」という理由によって、数年後には社会にもどされるのが常なのだ。一部では、それが再犯の増加につながっている。 更生保護施設を取材してみると… では、こういう問題を抱えた人々をどうすればいいのか。 取材を通して一つのモデルとなると感じたのは、更生保護施設「田川ふれ愛義塾」の関連施設である「ふれあいの森」だ。 田川ふれ愛義塾は、少年院から出た行先のない少年たちを引き受け、自立支援をする更生保護施設だった。