前回の記事 >>経済学的思考2 流行のエセ経済学についてのお話です。 それらしく聞こえる提言は、なぜ経済学的に間違いだとされてしまうのでしょうか。 家賃規制と最低賃金を例にとって説明したいと思います。 「(1)貧しい人たちでもちゃんとした家に住めるよう、住宅家賃の上限を制限する必要がある」 これは家賃規制の問題です。 家賃を規制することは住宅供給の量と質に悪影響を及ぼし、本当に援助を必要とする人々を助ける政策のなかでもきわめて非効率的な方法だ、とほとんど全ての経済学者が考えています。なかには家賃規制を「爆弾以外で都市を破壊する最良の方法」と批判する人もいるくらいです。 しかし、多くの自治体は経済学者の意見を無視して家賃規制を実施しています。 家賃の上限が決まっていれば人々は安く家を借りられるし、貧しい人でもちゃんとした住宅に住めるはずだ、と規制賛成派は主張します。 残念ながらこの意見は短絡