社会の摂理とも呼べるトラップにかかってしまう理由 【宮台】先ほどの寓話を思い出してください。島の人々は自給自足的な経済から換金作物を栽培して外貨を獲得する経済に移行することを自ら決めました。これにより、人々の暮らしはブローカーや国際市場に依存することになった結果、意図せざる帰結にさいなまれることになりました。 一体何がこの状態を招いたのでしょうか。それは島の人々の自立を願っての決断です。誰かに強制されたわけではありません。国際市場に依存することはわかっていても、それはあえて自らが選択したものであり、この時点の決定はいわば「自律的(=自己決定的)な依存」だと言うことができます。 ところが、その後、ブローカーや国際市場との関係は、抜け出そうにも抜け出せない依存、すなわち、依存しないという選択肢がもはや存在しないような「他律的(=非自己決定的)な依存」へと、変化してしまったのです。「自律的な依存
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