日本発達障害ネットワーク 理事長 市川宏伸 最近、発達障害を正しく理解していないと思われる、いくつかの事柄が社会的に話題になっています。一つは「育て方により発達障害は防げる」という論理です。 もう一つは大阪地裁でアスペルガー症候群が犯した事件に、思ってもみない判決が出たことです。「発達障害者が問題を起こした時は、厳しい罰で対応すればよい」という論理だとすれば、「発達障害のある人の特性や対応方法がわからないので不安だ」、という考え方であると思われます。たしかに、発達障害がある人は、外見上分かりにくい苦手さを持ち、コミュニケ-ションが苦手で、特定の感覚に過敏さがあったり、過度に衝動的になったりなどの特性がある場合は、対応のコツがつかみにくいと感じられると思います。しかし、特性を理解して、世の中に受け入れられやすい行動の仕方を丁寧に教えることが効果的であることも分かっています。 この判決文