発行周期:毎週木曜日 「考える人」編集長が、雑誌には登場しない編集の舞台裏やこぼれ話を紹介。そのほかにも、お薦めの本を紹介する「考える本棚」や「考える人」執筆者の新刊案内など、充実した内容をお届けします。 URL:http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/
自動車の下で夜露をしのいでいるらしい野良の「車猫」に今日も通勤途上で出会った。かなり大きな図体のこの白黒猫は、道ばたに駐車している自家用車の下にいていつもバンパーの下あたりに丸い足が覗いている。だいたい白の大衆車の下にいるが、その車が出払っていた今日は、隣の赤いスポーツカーの下で丸くなっていた。考えごとをしながら歩いていたために猫のことはすっかり意識から消えていたのだが、今日は嬉しいことに先様から「にゃお」と挨拶をしてもらう。大きな声だ。はっと気が付いて腰をかがめ「Hi!」と一声かけて先を急いだ。 先日話題にした『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み始めた。ブログに感想を書くのなら読み終わってから一筆啓上するのが通り相場だろうが、長い読書になりそうな気がして、書けるときに書いておく作戦で行くことにした。そんな文章が許されるのもブログの一興だろう。 長い読書になりそうと言ったのは、
2007年11月06日00:00 カテゴリ 一識者から梅田望夫へ - 書評 - ウェブ時代をゆく いつもどおり献本御礼。 ウェブ時代をゆく 梅田望夫 初掲載2007.11.05;発売開始まで更新 一回で書評し切れる本ではないが、これだけは最初に申し上げたい。 これは褒めざるを得ない、と。 本書、「ウェブ時代をゆく」は、今や「ウェブ進化論」の著者として「あちら側」も「こちら側」も知らぬなしの梅田望夫の最新作にして、「シリコンバレーに住む一コンサルタント」だった著者が、はじめて「梅田望夫」を全面に出して書いた一冊。 なぜ「褒めざるを得ないか」といえば、100%それが理由だ。 目次 - 新刊「ウェブ時代をゆく」11月6日刊行 - My Life Between Silicon Valley and Japanより 序章 混沌として面白い時代 一身にして二生を経る/オプティミズムを貫く理由/「群衆
アマゾンで注文していた構想力(谷川九段著)が届きました。つい最近まで、自分の本の校正をやっていたので、ついつい一字一字チェックしながら読んでしまいました タイトルの通り、テーマは構想力。自分の考えと比べながら読みましたが、谷川先生はこう考えているのか、ということがわかって勉強になりました。 おっ、と思ったのは谷川先生の若手棋士に対するイメージ。これは今まであまり語られていない話なので。 ここからは自分の本の話。話が来たのは昨年の今頃で、竜王戦が終わり、年が明けてから担当の方と会いました。「四間飛車破り」などの技術書は書いたことがあっても活字中心の本は初めて。迷いましたが、担当の方がかなりの将棋通で次々とアイディアを出してくれ「これなら大丈夫そうだ」と思ったので書くことにしました。 四間飛車破りの時は「一気にやってしまおう」と1冊を1ヶ月×2冊の2ヶ月で仕上げましたが、この間、他のことが手に
2007年11月04日03:00 カテゴリ書評/画評/品評 電脳がいつかは人脳に勝つ理由 - 書評 - ボナンザVS勝負脳 こんな大事な本を読み落としていたとは。思い出させてくれた「レジデント初期研修用資料: 終了判定の問題を考えている人がいた」に感謝。 ボナンザVS勝負脳 保木邦仁 / 渡辺明 本書を読んで確信できた。 私の目の黒いうちに、電脳が人脳に勝つ日が来ることを。 本書、「ボナンザVS勝負脳」は、現在最も有名なコンピューター将棋プログラムBonanzaの開発者と、それと戦って見事勝利した、勝負脳の持ち主とが、それぞれの立場で持論を読者に遠慮なく語った一冊。 目次 はじめに 第一章 ボナンザ誕生 保木邦仁 第二章 コンピュータとの対決 渡辺明 対談 ボナンザ誕生 保木邦仁 x 渡辺明 第三章 コンピュータ将棋の新たな可能性 保木邦仁 第四章 プロ棋士はこう考える 渡辺明 終章 科学
bonanzaというコンピュータ将棋のソフトが半年前に人間のトッププロ棋士と対局した。このことは、この記事をわざわざ読みに来る人は知っていることと思う。そして、その対局に関する新書が出た。それが「ボナンザVS勝負脳」である。私は将棋が強いわけでもなければコンピュータ将棋に詳しいわけでもない。ただ、専門分野が情報工学なので、この本を多少専門的な観点から読むことができるはずである。以下、数項目に渡って、解説や感想を書こうと思う。 26ページ「制御理論というのは、そもそも工学の分野で使われるものである」 著者の保木氏は唐突に「制御理論」というキーワードを出した。制御理論を知らない人はこう思うはずである。「ここは飛ばして読もう」。 制御というととっつきづらいイメージがあるかもしれないが、「コントロール」と言い換えると少しはアレルギー反応を抑えることができるかもしれない(制御というのはコントロールの
来週火曜日(11月6日)頃から「頭脳勝負」という将棋の渡辺明竜王の本が書店に並ぶ。まだ書店に並んでいない本について書くのには理由がある。じつは僕がこの本の「帯」にひとことコメントを寄せているからなのである。 ゲラ段階で本書を読み、これは本当に素晴らしい本だと思った。何が素晴らしいか。それは23歳の若き竜王・渡辺明が、将棋ファンに対してこんな気持ちを持っていると知ったからである。 棋士は将棋を指すことによってお金をもらっていますが、これはプロが指す将棋の価値を認めてくれるファンの方がいるからです。スポーツ等と同じで、見てくれる人がいなければ成り立ちません。 ただ、将棋の場合「難しいんでしょ」「専門的な知識がないと見てもわからないんでしょ」とスポーツに比べて、敷居が高いと感じている方が多いように思います。確かに、将棋は難しいゲームです。しかし、それを楽しむのはちっとも難しくないのです。「なんと
2007年10月30日01:15 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 少子高齢化を学ぶ格好の一冊 - 書評 - 人口学への正体 実に面白かった。 人口学への招待 河野稠果 と同時に、本書の示唆する未来--日本、だけではなく人類の未来--に、軽い寒気を禁じ得なかった。 本書、「人口学への招待」は、副題に「少子・高齢化はどこまで解明されたか」とあるとおり、人口動態を分析するための科学、すなわち人口学の本。この人口学、現時点においては psychohistory に最も近い学問なのではないか。 目次 序章 - 人口問題 -- 急増から激減へ 第1章 人口学の基礎 第2章 生命表とその応用 第3章 少子化をめぐる人口学 第4章 人口転換 -- 「多産多死」から「少産少死」へ 第5章 生殖力と出生率 -- 生物的・行動的「近接要因」 第6章 結婚の人口学 -- 非婚・晩婚という日本的危機 第7章
まだ読み終わっていないのだが、発売されたばかりの日経新聞編集委員の三宅伸吾氏の新著、「市場と法-今何が起きているのか」(日経BP社)が面白く、通勤の電車の中でむさぼるように読んでいる。 まず、カバーしている範囲が極めて広い。最初はライブドア事件、村上ファンド事件が中心なのかな、と想定していたのだが、それは第一章「市場への背信」の一部であり、この章では日興コーディアル粉飾事件もかなりの詳しさで論じられている。続く第二章の「検証・刑事司法」ではいわゆる国策捜査を中心に、検察など捜査当局の取調べの問題点を鋭く批判している。第三章の「敵対的企業買収」ではニッポン放送事件、ブルドック事件などにおける論点を改めて整理している。 さすがにここで終わるのかなと思いきや、三宅氏の筆は止まらない。第四章「ルールを創る」では公取の競争政策や住友信託とUFJの「統合破談」の事例について論じ、第五章「弁護士と法律事
もう、かれこれ2年ほど前になりますが、三宅伸吾さん(日本経済新聞社編集委員 法務報道部)の著書「乗っ取り屋と用心棒」の書評を書かせていただきましたが、このたび、また三宅さんの新著「市場と法-いま何が起きているのか-」(三宅伸吾著 日経BP社)を拝読させていただきました。僭越ながら、この本のご紹介を兼ねて、若干の書評を書かせていただきます。(しかし2年前とはいえ、私ずいぶんと偉そうに書評書いてますね。。。いま読み返してみますと、おまえはいったい何様か?と思います。実名ブログのコワさがまだよくわかっていなかった頃だったんですね ハズカシイ・・・・笑) 日本が市場国家として生きていくことを選択した以上は、その市場が健全に発展するためには、一般市民や投資家から信認されなければならないわけであります。そして、その信認のためのひとつの条件としては、「規律の包囲網」が適切に構築されなければならない、その
はてなプレゼント企画!“「ウェブ時代をゆく」欲しい!”著者(梅田望夫)サイン本を含む合計30冊が当たるプレゼントキャンペーン【応募締切:11/5】 ベストセラー・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)の著者であり、はてな取締役の梅田望夫(id:umedamochio)による新刊書籍、ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)が、2007年11月6日に筑摩書房より発売されます。 そこで、出版社の筑摩書房ならびに著者の協力により、書籍30冊(サイン付き10冊+サインなし通常本20冊)をはてなユーザー様にプレゼントします。発売前から話題を集める本書を、刊行とほぼ同時に皆さまにプレゼントいたします。ふるってご応募ください!
いよいよ11月6日に書き下ろし新刊「ウェブ時代をゆく」(ちくま新書)が刊行されます。 アマゾン、紀伊国屋で予約が始まりました。 この本は「ウェブ進化論」以降、本欄読者の方々をはじめ膨大なネット上の同書への感想をすべて読みながら、一年半かけて考え続けてきたことの全てです。目次は次の通りです。 序章 混沌として面白い時代 一身にして二生を経る/オプティミズムを貫く理由/「群衆の叡智」元年/グーグルと「産業革命前夜」のイギリス/学習の高速道路と大渋滞/ウェブ進化と「好きを貫く」精神/リアルとネットの境界領域に可能性/フロンティアを前にしたときの精神的な構え 第一章 グーグルと「もうひとつの地球」 営利企業であることの矛盾/グーグルはなぜこんなに儲かるのか/奇跡的な組み合わせ/グーグルの二つ目の顔/「もうひとつの地球」構築の方程式/「経済のゲーム」より「知と情報のゲーム」/利便性と自由の代償として
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2007年10月10日03:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - すばる望遠鏡の宇宙 間違いなく、今年の新書ベスト1候補筆頭。 すばる望遠鏡の宇宙 海部宣男 文 / 宮下暁彦 写真 世界最高の場所にある、世界最高の施設が上げた世界最高の成果の数々を、世界最高の望遠鏡を二度手がけた著者が紹介する本ともなれば、当然とも言える。 本書「すばる望遠鏡の宇宙」は、天体望遠鏡の設置環境としては世界一ともいえるマウナ・ケア山頂にある、世界最大級(一枚鏡の反射望遠鏡としてはつい最近まで世界最大だった)すばる望遠鏡を、それを作ったチームを率いたその人自ら一冊の本にまとめたものである。そんな本がスゴ本でないとしたら、何をスゴ本と呼べばいいのか。 目次 - 岩波新書 すばる望遠鏡の宇宙より 目次 はじめに 第1章 未知への航海―宇宙へ船出したすばる望遠鏡― 第2章 宇宙に咲く花―すばるが観た宇
会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」 作者: 冨山和彦出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2007/07/13メディア: 単行本購入: 15人 クリック: 126回この商品を含むブログ (85件) を見る『会社は頭から腐る』からを読んだ。著書は4年間で41件の企業再生を手がけ、総額で300億円近い利益をあげた産業再生機構のCOO冨山和彦さん。COOとしてその執行に全責任を負ったその冨山さんの経営観が、「変革もどき」、「机上のおままごと」、「少年少女アナリスト」、「ガチンコ」などの独特の言い回しを交えながら、これでもか、これでもかとばかりに書かれており、非常に読み応えがある1冊。「再生の修羅場で見た日本企業の課題」という副題通り、自らが経営する会社の再生も含め、修羅場の中から紡ぎだされた経営観が提示され、いくつかの経営戦略本からつまみ食いをし
たった2分で人の心をつかむ話し方(CD付) スポンサード リンク ・たった2分で人の心をつかむ話し方(CD付) 今月末に結婚式のスピーチを頼まれているのでノウハウを研究中。この本はよかった。 「長すぎる話は聞いてもらえません。人が話を聞く限界は3分といわれています。ですから、それ以上の長すぎる話は、最後まで聞いてもらえない可能性があります。「5分で話をしてください」とか、「話す時間は5分準備しております」というのであれば、聞き手もそのつもりで集中するかも知れませんが、それでも内容は3分以内にまとめるべきです。たとえば1時間の講演を頼まれた場合は、持ち時間は60分ですから単純に3分の話を20回すればいいわけです。」 「人民の、人民による、人民のための」で有名な、リンカーンのゲティスバーグ演説も、実際には、たった2分間の演説だったそうである。長い話を、小さなネタの連続としてとらえる発想は目から
「Super Crunchers: Why Thinking-by-Numbers Is the New Way to Be Smart」という本が面白い。 まだ日本語訳が出ていないので、検索したところ主だった日本語の書評はこの一件くらいかな。 著者のイアンは、ラジオ番組でのレギュラーコメンテーターや雑誌・新聞などでコラムニストとしても活躍中で、2006年には、アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・サイエンス(アメリカ科学アカデミー)を受賞。「法律と経済の第一人者」として知られている人物です。 計量経済学を専門とする著者は、この本で、近年の膨大な量の経済データは、博識な人でも予測不可能だったことを予測可能にしている、と主張しています。 とある。 「ウェブ進化論」の中で、「ネット世界の三大法則」の第一法則として「神の視点からの世界理解」を挙げ、その定義を「膨大な量のミクロな「動き」を
ざっと読んで捨てようかと思った本だけど、 読んでみたらけっこう面白かったのでじっくり読んだ。 スポーツを「視る」技術 (講談社現代新書)二宮 清純 おすすめ平均 勝利は、天に任せるのでなく、自ら勝ち取るもの Amazonで詳しく見る by G-Tools 「左フックは背中をかするだけでも意味があるんです。肝臓がグーッと腹の中で動く瞬間の恐怖といったら・・・わかりますか!?」 私は何も言い返せないばかりか、その程度の知識で記事を書いている自分を恥ずかしく思った。 〜中略〜 ではスポーツ経験者じゃなければ、スポーツの記事は書けないのか。そんなことはない。書き手には書き手の感性がある。 〜中略〜 経験者ではないからこそ、経験者以上に思索を巡らせなければならない。先入観や固定観念をはいし、顕微鏡で微生物を覗き込むがごとく、ディテールに誠実であらねばならない。 自分の場合はスポーツとは関係ないけれど
糸井重里さんが、「ほぼ日刊イトイ新聞(以下、ほぼ日)」で「ベストセラーにならない理由が、わからない」と紹介した本があります。今年の4月に発売された、滑川海彦さんが、「Web2.0的な」ネットサービスについてまとめた『ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方』(以下、『ソーシャル・ウェブ入門』)です。 彼がそこまでこの本に入れ込んだ理由はどこにあるのか知りたい、と思っていたところ、糸井さんから、筆者である滑川さんと、『ソーシャル・ウェブ入門』に触発された事柄について語り合いたいとの提案がありました。それを記事にしたのが今回の企画です。 この対談の様子は、8月28日から「ほぼ日」でも連載されています(リンクはこちら)。同じ対談を別の媒体がそれぞれの視点で紹介する、という試みです。「藪の中」になるかもしれませんが、「ほぼ日」と「NBオンライン」、それぞれの
はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28
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