報道陣が多数詰めかける中、藤原道長の「御堂関白記」を公開する陽明文庫の文庫長・名和修さん=19日午前、京都市右京区の陽明文庫(恵守乾撮影) 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産登録に正式決定した国宝「慶長遣欧使節関係資料」(仙台市博物館所蔵)やスペイン国内に残る関連資料。欧州との外交の先駆けともいえる使節の目的をめぐっては、これまで、研究者の間でさまざまな説が提示されてきた。東日本大震災を経験したことで、研究者からは「当時、仙台藩に多大な被害をもたらした慶長三陸地震からの復興の意味合いがあった」との説が示され、使節派遣は新たな意味を持ち始めている。 この説を提示しているのは、使節研究の第一人者で宮城県慶長使節船ミュージアム(同県石巻市)の浜田直嗣(なおつぐ)館長。使節派遣をめぐっては「欧州との通商を通じて、伊達政宗が倒幕を目指したのではないか」などの説が唱えられてきたが、浜田氏は「ど