チーム最年少で新スキップの中嶋星奈は小首を傾げ、笑いながらチームのフィニッシャーである北澤育恵について言い放った。昨年の夏のことだ。 中部電力はワールドカーリングツアーの国内タイトル「どうぎんカーリングクラシック」に出場していた。平昌五輪というマイルストーンは過去のものになり、チームは次の4年、北京五輪を目指し、そこで勝てるチームに強化すべく、新しい布陣を模索している過程だった。 創部からの唯一のオリジナルメンバーで、昨季まで主将としてチームを牽引していた清水絵美をマネージャー兼フィフス(控え選手)としてコーチボックスに置く。 安定したショットとスイープが求められるリードに石郷岡葉純、チーム最年少の中嶋をセカンドの投げ順ながら司令塔・スキップに抜擢し、スイープとショットでリスク管理をする攻守のスイッチャーとして松村千秋をサードに。そして得点に直結するポジション、最後に投げるフォースを北澤に