小沢健二が2002年にリリースした4thアルバム『Eclectic』の配信がスタートし、再び注目を集めている。3rdアルバム『球体の奏でる音楽』(1996年)以来、約4年4カ月のインターバルを経て発表された同作品は、全曲ニューヨークとマイアミで録音/ミックスされた。「Eclectic」とは“折衷的な”という意味だが、その言葉通りこのアルバムは(音楽的にも制作スタイル的にも人種的にも)さまざまなファクターを取捨選択し、融合させた作品となっている。彼のキャリアのなかでも、もっとも刺激的なトライアルに溢れたアルバムと言っていいだろう。 小沢健二『Eclectic』 1994年のアルバム『LIFE』の大ヒットにより、90年代半ばの音楽シーンを象徴する存在となった小沢健二。メディアを賑わせ、NHK紅白歌合戦にも2年連続(1995年、1996年)出演するなど、誰もが認めるポップスターとして活躍していた