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ブックマーク / realsound.jp (23)

  • 話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』

    小学校1年生のときの教室。クラスメイトたちの当たり前を、自分だけがさっぱり理解できず、それを周囲には悟られないように平静を装いながら、内心はげしく動揺している。もしかしたら自分は気づかないうちに、どこかに存在する「並行世界」に迷い込んだのかもしれない。そう思うと、次第に怖くなってくる。 小説家・柴崎友香の『あらゆることは今起こる』は、そんな「小説の始まり」のようなエピソードから始まる。でも、これは「小説」ではない。2021年9月にADHD(「注意欠如多動症」)の診断を受けたという柴崎が書き下ろした、発達障害をめぐるエッセイだ。医学書院の「ケアをひらく」シリーズに収められているのだが、そのコンセプトにたがわず、ひじょうに平易な言葉遣いで、発達障害の特性を知ることができる。著者自身が発達障害についての考えを深める過程と並行して書かれていて、ADHDという言葉を耳にしたことはあっても、充分に考え

    話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』
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    w84_yuto 2024/07/05
  • コンビニから本がなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの本屋さん」はどうなる

    コンビニからがなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの屋さん」はどうなる 出版取次大手の日出版販売(日販)が、コンビニエンスストアに雑誌や書籍を配送する事業を、2025年2月には終了するという。10月26日、共同通信社が報じた。現在、日販は全国のファミリーマートとローソン計約3万店に配送している。共同通信社によれば、撤退後は、セブンイレブンに配送しているトーハンが配送事業を引き継ぐ方針とのことだ。 いよいよ、格的な紙離れの影響が出てきたか、という印象である。コロナ禍の中で、電子書籍の売上は伸びた一方で、紙の書籍の売上は落ち込みつつあり、リアル書店の数も減少した。日版のコンビニからの撤退は、これまで堅調と思われていたコンビニですら、紙の雑誌・書籍の売上が落ち込んでいることを如実に表している。 しかし、今回の決定を冷静に見る識者も少なくない。というのも、以前

    コンビニから本がなくなる? 取次最大手「日販」が配送事業を終了 「LAWSONマチの本屋さん」はどうなる
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    w84_yuto 2023/10/30
  • 後藤護 × 菊地成孔『黒人音楽史』対談 「抑圧が強くなった時代の次にはまた爆発が来る」

    暗黒批評家・後藤護が著した書籍『黒人音楽史 奇想の宇宙』(中央公論新社)は、耳慣れない「アフロ・マニエリスム」なる概念を軸に、これまでにない切り口で黒人音楽史を捉え直した一冊だ。アフロ・マニエリスムとは、ドイツのジャーナリストで文筆家のグスタフ・ルネ・ホッケが1950年代に再評価した後期イタリア・ルネサンスの美術様式「マニエリスム」の理論を換骨奪胎し、ブラック・カルチャーに応用したもの。後藤護は、このアフロ・マニエリスムによって、奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代までを総括しようと試みた。 ジャズ・ミュージシャンにして文筆家の菊地成孔は、書『黒人音楽史』をどのように読んだのか。リアルサウンド ブックでは、ふたりの初対談をお届けする。(編集部) 後藤護 菊地:いわゆる黒人音楽史についてのは20世紀にたくさん出ています。特にジャズ批評の多くは、歴史主義で書かれてい

    後藤護 × 菊地成孔『黒人音楽史』対談 「抑圧が強くなった時代の次にはまた爆発が来る」
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    w84_yuto 2023/05/04
  • 藤子・F・不二雄、SF短編全111作収録された決定版がすごい!

    藤子・F・不二雄が1969年より描き継いだ「SF短編」。ただいま、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムでは、「SF短編」の原画を展示する「藤子・F・不二雄のSF短編原画展 -Sukoshi Fushigiへの招待-」を絶賛開催中(~2023年10月中旬※予定)。2023年4月9日より、NHKBSプレミアムでドラマ化され、そのシュールで刺激的な世界観に、驚く人も多いのではないだろうか。 【写真】ファン必見!藤子・F・不二雄の作品やグッズ これを機に「SF短編」シリーズ・全111作を、全10巻に再編集し、2023年4月7日より順次刊行。また、シリーズの刊行を記念して制作された、キービジュアル(コラージュアーティスト・河村康輔氏制作)も公開。SF短編シリーズに登場するキャラクターたちが散りばめられた豪華なビジュアルとなっている。 ■「SF短編」シリーズと「藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・

    藤子・F・不二雄、SF短編全111作収録された決定版がすごい!
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    w84_yuto 2023/04/20
  • くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷

    くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷 くるりの新作『愛の太陽 EP』が3月1日にリリースされた。映画やドラマのタイアップ曲を中心に、歌に重点を置いた6曲がパッケージされた同作は、岸田繁(Vo/Gt)曰く「全曲普通にいい曲よね」と思える楽曲がEPになるという、くるりとしては珍しいリリース形態。そんな作品性ゆえ、“聴き手に寄り添うくるり”と、“実験精神に溢れたくるり”という二面性に今一度思いを馳せたくなると同時に、特にこの10年のくるりのディスコグラフィと並べて聴いても違った感触を得られるEPと言えるだろう。 今回リアルサウンドでは、くるりの岸田、佐藤征史(Ba)と、初期から彼らの作品を追ってきた音楽評論家・田中宗一郎の鼎談をセッティング。アルバム『天才の愛』(2021年)を経て今作に繋がるモードを紐解いていくうちに

    くるりが田中宗一郎と語り合う、音楽作家として迎えた確かな変化 ポップと実験を往来してきた特異なアティテュードの変遷
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    w84_yuto 2023/03/04
  • 人間の実存を描く傑作ーー社会学者・宮台真司が読み解く『ベルセルク』

    世界中で愛読されるダークファンタジーの傑作漫画『ベルセルク』。作者の三浦建太郎が2021年5月6日逝去したことで未完となっていたが、かつて三浦を支えた「スタジオ我画」の作画スタッフと、三浦の盟友・森恒二の監修によって、2022年6月24日より連載が再開したことでも話題となっている。 後世に何を伝えたのか? 9人の論者が独自の視点から『ベルセルク』の魅力を読み解い た格評論集『ベルセルク精読』が、8月12日に株式会社blueprintより刊行される。 社会学者・宮台真司は、同作を「最終的帰結がすべて決まっていることを自覚する人々が、どう生き得るか」を描いた類まれな傑作と評す。今回は一部内容を抜粋してお届けする。(編集部) 宇宙が終わることは決まっている どんな理想的な生き方をしても、どんな理想的な社会を作っても、世界は必ず終わる。そのことは20世紀を通じて科学者の間で完全な合意事項になった

    人間の実存を描く傑作ーー社会学者・宮台真司が読み解く『ベルセルク』
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    w84_yuto 2022/08/05
  • 村田沙耶香が語る、世界に向けて小説を書くこと 「自分にとって都合の悪い作品を作りたい」

    今の自分が見ている現実は、絶対的なものではないかもしれない。村田沙耶香はこれまでも読者の足元をぐらつかせるような小説を書いてきたが、最新作『信仰』(文藝春秋)でもまた、既存の価値観を問い直している。 好きな言葉は「原価いくら?」だという現実主義者の主人公が、同級生からカルト商法を持ちかけられる––。「信じること」に正面から向き合った表題作をはじめ、65歳時点で生きている確率が可視化された世界を描く「生存」など、8篇の小説・エッセイが収録されている。 フェイクニュースや陰謀論が飛び交う現代において、信じるとは一体、どういうことなのか? どのような思いで小説を書いているのか? 村田に今、作家として感じていることを聞いた。(小沼理) 速度の速い正しさが怖い ――表題作の「信仰」を書いたきっかけを教えてください。 村田:知り合いがマルチにハマった時とか、友達がモラハラしてくる人と付き合っていて別れ

    村田沙耶香が語る、世界に向けて小説を書くこと 「自分にとって都合の悪い作品を作りたい」
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    w84_yuto 2022/06/27
  • 『テスカトリポカ』佐藤究×『ルポ 川崎』磯部涼 特別対談 川崎の〝流れ者〟たちが描く世界地図

    佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA) 作家の佐藤究氏とライターの磯部涼氏の特別対談をお届けする。佐藤氏は今年山周五郎賞と直木賞を受賞したクライムノベル『テスカトリポカ』(KADOKAWA)で、川崎やメキシコなどを舞台に、麻薬密売や臓器ビジネスの世界の抗争をスリリングに描いた。 ライターの磯部涼氏は、川崎の若者の貧困、ドラッグ、ヒップホップ文化などを鋭い視点から取材した『ルポ 川崎』(サイゾー)を2017年に発表し、第17回新潮ドキュメント賞の候補作に。音楽ファンだけでなく幅広い層の話題を呼び、今年には文庫化(新潮社)して刊行された。 実は今回が初対面だというお二人が顔を合わせたのは、磯部氏が勧める、川崎区のコリアンタウン・桜にあるペルー料理店「EL carbon」(https://elcarbon.jp/)で、川崎に魅了される理由やノンフィクションとフィクションの交点などについ

    『テスカトリポカ』佐藤究×『ルポ 川崎』磯部涼 特別対談 川崎の〝流れ者〟たちが描く世界地図
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    w84_yuto 2022/01/02
  • 大塚英志が語る、日本の大衆文化の通史を描く意義 「はみ出し者こそが権力に吸収されやすい」

    太平記から漫画、模型、アニメ、ボーカロイドまで、日の大衆文化の通史を一冊ので描き切った日文研大衆文化研究プロジェクトによる書籍『日大衆文化史』(KADOKAWA)。 大塚英志氏 このでは、漫画の鳥獣戯画起源論など、現代の日文化が中世や近世にルーツを持つとする説は、戦時下に政治的に必要とされて「創られた伝統」だと退けた上で、それとは別に一貫して存在してきた運動を描いていく。 「お約束」や共通前提(歌舞伎でいう「世界」)を踏まえながら新要素(同じく歌舞伎でいう「趣向」)を入れて作品が生み出されていくという、二次創作的とも言える仕組みこそが「文化」であり、それは有象無象の大衆=民俗学者の柳田國男がいう「群れとしての作者」が担ってきた、という見立てのもとで見えてきた「日」「大衆」文化史の姿とは――主筆を務めた国際日文化研究センター教授・大塚英志氏に訊いた。 『日大衆文化史』は通史を

    大塚英志が語る、日本の大衆文化の通史を描く意義 「はみ出し者こそが権力に吸収されやすい」
  • 『SFマガジン』編集長・塩澤快浩が語る、SFが多様性を獲得するまで 「生き延びることしか考えてきませんでした」

    SFマガジン』編集長・塩澤快浩が語る、SFが多様性を獲得するまで 「生き延びることしか考えてきませんでした」 2020年2月号が創刊60周年記念号となった「SFマガジン」を発行する早川書房は今年、ハヤカワ文庫創刊50周年を迎え、「ミステリマガジン」9月号、「SFマガジン」10月号でそれぞれ記念特集を組んだ。 長年、SFにかかわり、現在では国内と翻訳の編集部全体を統括する立場の塩澤快浩氏(早川書房事業部副部長兼編集統括部長兼SFマガジン編集長)にジャンルの専門誌である「SFマガジン」の歩み、SFの過去と現在について訊いた。(9月15日取材/円堂都司昭) 「SFマガジン」の仕事を始めてからSFを読み始める ――早川書房へ入社する前は、SFに興味がなかったそうですね。 塩澤:高校の頃から翻訳もののハードボイルド、冒険小説を読み始めました。大学時代もそういうものばかり読んで就職活動はほとんど

    『SFマガジン』編集長・塩澤快浩が語る、SFが多様性を獲得するまで 「生き延びることしか考えてきませんでした」
  • 【全3回】トラップミュージック史(1)サブジャンルとしての誕生とメインストリーム進出の背景

    トラップミュージックの起源 Migos、Travis Scott、Lil Uzi Vert、Lil Baby……現代の人気ヒップホップアーティストのスタイルの主流として君臨する、トラップミュージック。ゆったりとしたBPMと手数の多い808、三連符のリズムと歌うようなフロウが多用されるのが特徴のこの音楽は、ハスリングが行われる場所を表すアトランタのスラングから名付けられた。 アトランタのラッパーのGucci Maneは、2018年に「俺がトラップミュージックを発明した」という趣旨のメッセージを2005年頃と思しき写真と共にInstagramに投稿している。しかし、それに対して同じくアトランタのT.I.は「2003年にトラップミュージックが生まれた」と反論。このトラップの起源についての論争は、ヒップホップファンの間で大きな話題を呼んだ。 自身の音楽を「トラップミュージック」と銘打ち、メインスト

    【全3回】トラップミュージック史(1)サブジャンルとしての誕生とメインストリーム進出の背景
  • 細野晴臣『HOSONO HOUSE』なぜ海外で再評価? “観光音楽”がいま注目集める理由を考察

    ここ数年、70年代〜80年代の日のポップミュージックが海外から注目されている。昨年3月にはアメリカ・シアトルのレーベル<Light In The Attic>が日の名曲をリイシューする“Japan Archival Series”を始動。第1弾の『Even a Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973』(2017年10月発売/CD4枚組)には、金延幸子「あなたから遠くへ」、加藤和彦「アーサー博士の人力飛行機」、はっぴいえんど「夏なんです」、そして、細野晴臣の「僕は一寸」などが収録されている。作はニューヨークタイムズで特集が組まれるなど(The Hidden History of Japan’s Folk-Rock Boom)、現地でもかなり大きな話題となった(この記事のなかで触れられている2014年の『Red Bull M

    細野晴臣『HOSONO HOUSE』なぜ海外で再評価? “観光音楽”がいま注目集める理由を考察
  • アイドルの声優活動なぜ増加? 2つのシーンに起こった変化を読む

    増加するアイドルから声優への転身 10月1日、Dorothy Little Happyの髙橋麻里が、声優活動を開始することを発表した。彼女は同日付けで声優プロダクションのオブジェクトに声優として所属。今後はDorothy Little Happyと声優の両活動を並行して行っていくという。かねてよりアニメ好きであることを公言していた髙橋。2015年にはGEMやX21のメンバーらも参加したドリーム・ユニット、マジカル☆どりーみんの一員としてTVアニメ『ジュエルペット マジカルチェンジ』のオープニングテーマ「マジカル☆チェンジ」を歌ったことはあるが、声優としてはこれが最初の一歩となる。今後の活躍が期待されるところだが、実は近年、彼女のようにアイドルと声優を兼業したり、あるいはアイドルから声優に転身する例が増えているのだ。 乃木坂46『いつかできるから今日できる』(初回仕様限定盤Type-C) 現

    アイドルの声優活動なぜ増加? 2つのシーンに起こった変化を読む
  • 『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』ーー話題作の陰にこの人あり 伊賀大介に訊く、日本映画の「衣装」の現在

    『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』ーー話題作の陰にこの人あり 伊賀大介に訊く、日映画の「衣装」の現在 今年に入ってから公開された作品だけでも、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』『世界からが消えたなら』『ふきげんな過去』、そして現在公開中の作品では『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』と、いずれもまったく方向性は違うものの、2016年を代表する作品群の「衣装」を手がけている伊賀大介。2012年にアニメ作品『おおかみこどもの雨と雪』の「衣装」まで手がけた時には、さすがにちょっとした話題となったが、普段は裏方に徹していることもあって、近年目に見えて充実ぶりを示している日映画界における「陰のキーマン」であり続けている。 ファッション誌や広告のフィールドを中心に活躍してきた超売れっ子スタイリストの彼は、どのような経緯で映画に関わるようになったのか? そして、何が彼を決

    『SCOOP!』『何者』『溺れるナイフ』ーー話題作の陰にこの人あり 伊賀大介に訊く、日本映画の「衣装」の現在
  • 庵野秀明に実写を撮らせた男、甘木モリオが語るプロデューサーの資質「嫌われる覚悟が必要」

    スペースシャワーTVの高根順次プロデューサーによるインタビュー連載「映画業界のキーマン直撃!!」第7回には、『シン・ゴジラ』の製作を手がけたプロダクション、株式会社シネバザールにて代表取締役を務める甘木モリオ氏が登場。『平成ガメラ三部作』や『ラブ&ポップ』、『パコと魔法の絵』『20世紀少年』『太平洋の奇跡』『監督失格』『私の奴隷になりなさい』『へルタースケルター』など、数多くの邦画をプロデュースしてきた同氏に、映画製作において大切にしていることや、プロデューサーという仕事の特殊性、その哲学まで、じっくりと話を聞いた。(編集部) 映画は必ずしも監督だけのものじゃない ーー甘木さんは、どんな風にして映画業界に入ったのでしょう。 甘木:地元の福岡の高校を卒業してすぐ、今村昌平さんが校長を務める日映画大学(当時は横浜放送映画専門学院)に入学して、2年間過ごしましたが、ほとんど学校は行ってません

    庵野秀明に実写を撮らせた男、甘木モリオが語るプロデューサーの資質「嫌われる覚悟が必要」
  • 「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析 まあ、どこから観ても問題作(批評は混乱するであろう) 『ハッピーアワー』は、これこそ現代日の作品としか言いようがないです。韓国でこんなことできないというか、できたとしてもホン・サンスしかいないというか。上映時間も長い〔317分〕だけではなく、語るべきことが多過ぎて、たぶん批評も混乱すると思うんですよ。ただ、黙っているわけにはいかない映画でもあるので、いろんな人がいろんな事を言うはず。サブカル系もしくはすごいシネフィルの人が大いに語るということになるのか、あるいはエンタメ系の人も何か言っちゃうのか。 ワタシもそこそこ長く成るので、最初に一言で済ませてしまうと、すごくいい映画なんだけど、1点だけ悪いことがあって、それは「いかにもロカルノで賞を獲りたそうなつくりで、それで実際に獲って

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析
  • なぜ人はイベントをやるのか? 音楽ライター・兵庫慎司が考える

    なぜ人はイベントをやりたがるのだろう。 ということが、昔から不思議だった。どれくらい昔からかというと、自分が学生時代、京都でぱっとしないアマチュアバンドをやっていた頃だから、25年くらい前(バンドブーム絶頂期です)から、ということになる。あ、この場合の「イベント」というのは、ライヴハウスで、ワンマンとか2バンドとかじゃなくて、5~6のバンドが出演して行われるような、いわゆるライヴイベントのことを指しています。フェスとかのでっかいイベントも、イベントといえばイベントですが。 ライヴハウスに出入りしている、でも自分はバンドをやっているわけではない子(多くの場合女の子)が仕切って、ハコを押さえてバンドを集めてイベントをやる。自分も出してもらっていたので文句をつける立場ではないし、文句を言いたい気持ちもなかったが、ただ単に、不思議だった。 この子たちはなぜイベントをやるんだろう? 自分がステージに

    なぜ人はイベントをやるのか? 音楽ライター・兵庫慎司が考える
  • アイドル論者が語る“握手会と現場”の最前線「人の心は金で買えないけど、ヲタの心は“握り”で買える」

    雑誌『週刊金曜日』の6月6日号にて“「アイドル」を守れ”と銘打った特集を行ったことを受け、同誌で執筆したアイドル論者たちによるトークイベントが6月12日、荻窪ベルベットサンにて開催された。イベント前編では、アイドル評論家の中森明夫氏と、特集の企画協力をしたライターの倉さおり氏が司会を担当。社会学者/情報環境論者でありながら先日、新生アイドルグループ「Platonics Idol Platform」のプロデューサーとしても活動し始めた濱野智史氏、リアルサウンドでも執筆中の音楽評論家・宗像明将氏に加え、地下アイドル兼ライターとして活躍する姫乃たま氏が登壇。ライブ現場や握手会の最前線について、ざっくばらんに語り合った。 握手会と現場の最前線 濱野:去年の夏ぐらいに鎌倉でやったイベントでBiSと握手したんです。BiSって、あまりルックスを売りにするようなタイプではなくて、メンバー自身も「たまには

    アイドル論者が語る“握手会と現場”の最前線「人の心は金で買えないけど、ヲタの心は“握り”で買える」
    w84_yuto
    w84_yuto 2014/06/25
    ヲタは安い居酒屋しか行かないとか、バツイチのリーマンドルヲタが結構いるってのは、現場に行くようになると確かに実感する
  • BABYMETAL、松井愛莉、武藤彩未…ブレイクアイドルの登竜門「さくら学院」に迫る

    サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティらを擁する大手芸能プロ・アミューズ所属のアイドルグループ・さくら学院が、人気タレントを輩出する育成機関として注目を集めている。 アイドル市場を突き抜けたBABYMETAL 最も成果を上げているのはBABYMETALだ。メンバーはSU-METAL(中元すず香、2012年度卒業)、YUIMETAL(水野由結)、MOAMETAL(菊地最愛)の3人。2010年11月に「メタルとアイドルの融合」をコンセプトに掲げ派生ユニットとして結成されて以来、快進撃を続けている。今年2月には『ミュージックステーション』に出演。同月には女性アーティストとしては史上最年少の平均年齢14.7歳で日武道館でのワンマン2days公演を開催し、2日間でのべ約2万人を集客、大成功を収めた。また、1stアルバム『BABYMETAL』は、オリコン週間チャートで4位、iTunes

    BABYMETAL、松井愛莉、武藤彩未…ブレイクアイドルの登竜門「さくら学院」に迫る
  • 「高速化するJPOP」をどう受け止めるか 音楽ジャーナリスト3人が徹底討論

    さやわか×宇野維正×柴 那典が2013年の音楽シーンを切る!(後編) 2014.01.03 10:30 リアルサウンドでもおなじみのライター・物語評論家のさやわか氏が、音楽ジャーナリストの宇野維正氏、柴 那典氏を招いて、2013年の音楽ジャンルを再総括するトークイベント『さやわか式☆現代文化論 第2回』のレポート後編。前編「今、ボカロやアイドルをどう語るべきか 音楽ジャーナリスト3人が2013年のシーンを振り返る」では、芸能と音楽の関係性についての考察から、ボカロシーンの是非、さらにはJPOPシーン全体の傾向の変化についてまで話が及んだ。後編では、最近の楽曲の傾向から、ボカロシーンの可能性についてまで、ざっくばらんに語った。 さやわか:前半ではシーン全体についての話が多かったんですが、今の音楽批評の問題として楽曲じたいに対する議論がなかなかうまく広がらない気がしています。そこで今日は音につ

    「高速化するJPOP」をどう受け止めるか 音楽ジャーナリスト3人が徹底討論