就職活動結果はその卒業年度の経済環境によって大きく異なります。実際、リーマンショック前後の就業人数を学校基本調査の大学生(学士)で比較してみると、38.2万人から32.9万人へと実に5.3万人も減少しています。当然、学生有利の売り手市場の年と、企業有利の買い手市場の年では、学生の心理や行動にも変化が生まれていたと推察されます。そこで今回は、売り手市場と買い手市場における学生の心理と行動量を弊社の各種調査を中心に比較し、どのような変化が生じていたのかを検証したいと思います。 <分析の背景と概要>まず分析を開始するにあたり、売り手と買い手、各々どの年を比較するかを検討しました。下記の図は文部科学省の学校基本調査における、大学生(学士)の卒業人数と就業人数の経年データです。買い手市場をみると、最も厳しかったのは求人倍率0.99倍の2000年卒だといわれていますが、実際には2003年卒の就業人数が