(2012年11月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 日本の金融政策は日本料理とよく似ている。どちらもこの20年間で、異国風の珍しいものから、ほぼすべての欧米諸国ですっかりお馴染みのものに一変した。寿司と量的緩和(QE)が世界中に広がったからだ。 そして今、日銀に対する政治的圧力が高まる中、トレーダーの間では、日本が欧米諸国と同じような規模でQEを適用し始めるとの期待が高まっている。 「安倍政権」を見込んで売られる円 一番大きな圧力を掛けているのは安倍晋三氏、来月の総選挙後に連立政権を率いる可能性が高い野党の党首である。日銀を攻撃する安倍氏は、高いインフレ目標の設定と、「無制限」の緩和、円安誘導策の実施を約束している。 先日開かれた金融政策決定会合で日銀が追加緩和を行わなかったにもかかわらず、円相場は反応した。6日間で4%以上値を下げてきた円相場は、11月21日には4月以来初めて1ド