9.20.2013 失われた20年に何が起きていたのか 正確に理解出来てるか怪しいので他人の論文を紹介するのは気が進まないが、新進気鋭の(主にマクロ)経済学者らによって書かれているこの論文は、派手さはないが日本経済を対象にした研究をしているものにとっては必読だと思う。 アメリカのPSIDみたいな横にも縦にも十分大きいパネルデータが少ない(というか、ない)日本では、賃金、収入、所得、消費、資産[1]という基本的な変数の動きを正確に理解することはなかなかムズカシイ。この論文は、そのバリアを賃金構造基本調査、全国消費実態調査、家計調査、家計研パネルといったデータを利用して丁寧にみていったものだ。アメリカでは、「上位1%が全世帯の○%の富をガメてやがる、いい加減にしろ!」というのがひとつの研究の流れを作っているが、日本の場合、アカデミズムの外で「格差」問題が大きく取り上げられて久しいが、真剣な研究