長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き 平成23年3月11日午後14時46分に東北地方の太平洋側は未曾有の大地震(東日本大震災M9.0)に襲われた。一説によると869年の貞観地震以来の大地震である。貞観地震では、大津波が仙台平野の海岸から3.5キロ・メートル離れた地点まで達したとされているが、今回は、それを上回る津波により被害が拡大した。さらに、1100年前にはなかった近代科学の粋である原子力発電所の事故がこの災害に追い打ちをかけている。東京電力福島第一原子力発電所は、地震の発生とともに揺れを検知してすべて自動停止した。しかし、夜10時には2号機の原子炉内の水位の異常が顕在化して、半径3キロ・メートル以内の住民に「避難」指示が出された。その後、12日は1号機、13日は3号機、そして15日には4号機までもが建屋内で水素爆発を起こした。これに伴い、避難地域も10キロ、20キロと拡大