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2011年5月9日のブックマーク (2件)

  • サイファーパンクの爆弾工房

    ウィキリークスの「ケーブルゲート」事件は、かつてないほどの興奮と関心に満ち満ちたハッカースキャンダルだ(ウィキリークスのミラーサイトはここなど)。私はその手の話についてはよく書いている方だし、ネット上にはこの現在進行形の一大ドラマを根掘り葉掘り知りつくそうと躍起になっている知り合いが山ほどいる。だから、自分がこのきわめてニュース性の高い出来事を前にして、まるでエドガー・アラン・ポー的な憂にも似た、こんなに寒々しくげんなりした気持ちでいっぱいになるのはなぜなのかを説明するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。 だが、この気分は誤魔化しようがない。 思うにこの悪寒の一部は、この事態が生じるまでにうんざりするほど時間を要したことであるに違いない。ついに——これほどの歳月が経った挙げ句に——サイファーパンクの古びた爆弾工房の自家製ニトロが火を噴くに至ったわけだ。そう、他でもないあの“サイファーパ

    サイファーパンクの爆弾工房
  • 「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」

    「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」 平川秀幸(京都女子大学) 先々週末(10月5日)、原子力安全委員会が開いたパネル討論会「リスク社会で安全を得る-原子力は特別なのか-」に行ってきた。会場は自宅からチャリで10分ちょっとの京都リサーチパーク。7月に東京で開かれたパネル討論会「リスクと、どうつきあうか-原子力安全委員会は語りあいたい」に続く二回目の討論会だ。ファシリテーター役の小林傳司さん(南山大学)からの誘いで、会場からの質疑応答でいろいろツッコミしてくれという半分「サクラ」としての参加だった。 討論会の中身だが、午前中は統計学者の竹内啓先生(明治学院大学国際学部教授)の講演。1時間ちょっとの時間、歯切れのよい調子でトントンと話を進める竹内さんの要点として、特に拾っておきたいのは以下の点だ。 (リスクに関する)確率や期待値の計算は、人と人との間の社会的な関係のなかでは全面的には通用しな