おGさんは山にプレカリに、おBさんは川に選択に むかしむかし、武蔵の国の、ある所……沢のちいさな長屋(アパート)に、画太利(ガタリ)さんと暮部(ボヴェ)さんという不安定雇用層、つまり夫隷刈阿人(プレカリアート)の若者が住んでおった(以下、GさんとBさんと略)。おGさんとおBさんは、貧しい上に希望もなく、しかも世間からは煮居徒(ニート)だ怠け者だと非難され、肩身の狭い思いをしながらつつましく暮らしておった。 そのうちに二人は、くらしが苦しいのは自分たちのせいではなく、愚弄罵詈頭無(グローバリズム)と寝澱部(ネオリベ)が悪いのだ、という思想にめざめ、時々は、「ええじゃないか」と歌い踊りながら路上解放をうったえる左運動出茂(サウンドデモ)などにも参加するようになったそうじゃ。 ある日、おGさんは山で木の下枝などを拾い集める林業関係の短期雇用賃労働を見つけ、山に夫隷刈り(プレカリ)に行った。 おB